体験談から考える。産後の心と体

クリップ
クリップ

2019/06/29

出典:すくすく子育て[放送日]2019/06/29[再放送]2019/07/06

体験談(1)頑張りすぎずに、周囲に助けてもらうことで元気を取り戻した

<1児のママ>
2歳5か月の男の子、パパとの3人暮らしをしています。
出会って半年で結婚。私は仕事を辞め、実家を離れて引っ越しました。そして、結婚後、半年もたたないうちに妊娠。短い期間で目まぐるしく環境が変わり、出産直後は自分のことを考える暇もありませんでした。しんどくても、それが当たり前だと思っていました。

でも、離乳食が始まる6か月過ぎから、次第に苦しさを感じるようになりました。
パパの仕事は3交代勤務でとても忙しく、息子と2人だけの夜を過ごすこともしばしば。特にパパが夜勤明けの日は、昼過ぎまで寝ているパパを起こさないように、息子を外に連れ出すなど気を遣いました。パパも疲れているので、「自分が我慢しておこう」と思っていました。

そして、息子が2歳を過ぎたある日のこと。心と体の疲れがピークに達していました。
家族で公園に出かける途中、出かけて5分もたたないうちに、突然、ポキリと心が折れたように感じて、パパに運転を代わってもらいました。心が形容しがたい程しんどい、そんな感覚に襲われて自分のことを保つことだけで精一杯でした。
家に戻ると、そのまま倒れ込んでしまい、涙が止まらなくなりました。「ひとりにしないで欲しい」とパパに言いました。パパはそんな私を見て、「そこまで思い詰めているとは思わなかった。放っておけない」と感じたそうです。

その後、すぐに心療内科を受診して、「しばらく子育てから離れて、もっと自分の時間を取るように」とアドバイスを受けました。

そこでまず頼ったのは、地域の有償ボランティアサービス。育児経験のあるサポーターさんに、子どもの世話を頼み、疲れた体を休めることにしました。さらに利用したのが保育園での一時預かり。疲れたとき、夫婦二人の時間を作りたいときなど、最大限に活用しました。
保育所の方が見守ってくれている、気にかけてくれているのが伝わってきますし、自分自身の時間が取れることで精神的に落ち着きました。

そして、少しずつパパへ素直に助けを求められるようになりました。以前は、パパが私に気を遣ってくれて「◯◯しておこうか」と言ってくれても「いいよ、私がやるよ」と言っていましたが、「じゃあお願いね」と言えるようになったんです。

一時は心と体のバランスを崩してしまいましたが、周囲の助けを借り、頑張り過ぎなくなったことで、少しずつ余裕が生まれてきています。

自分でSOSを出すのは難しい。パートナーであるパパが気付いてあげてほしい。

コメント:市川香織さん

本当にギリギリまで頑張られて、しんどかったですよね。ママは自分ではなかなかSOSが出せません。そうすると、一番身近なパートナーであるパパが気付くことがとても大事になってきます。
視点としては、ママはちゃんとご飯を食べているか、ちゃんと眠れているか、寝ているけど目は覚めているんじゃないか、最近笑顔が少なくなってきていないかなどを見てあげてほしいと思います。
例えば、1日のうちで朝ご飯なら一緒に食べられるとか、顔を合わせるタイミングで健康かどうかをお互いに確認できるとよいかと思います。

体験談(2)妊娠中から夫婦で話し合い、産後に備えた

<1児のママ>
産後は心も体も大変になると聞いていたので、自分がやっていけるか不安でした。そのため、妊娠中から夫婦で話し合って情報を集め、産後に備えるようにしました。その中で、産後ケアの専門家「産後ドゥーラ」(産後のママが体を休め、育児に専念できるよう、有償で家事や育児などのサポートを提供)のことを知り、出産前に予約をしておいたんです。夫も産後2週目ごろから育休を2週間取得しました。
産後は、夫の母や産後ドゥーラのサポート、夫の育休などもあり、産後1か月は家事を全くせずに過ごすことができ、体の回復も早かったと思います。

産後2週間がママが不安が高まる時期。その時期に一緒にいるだけでも心強い。

コメント:市川香織さん

パパが2週間目に育休を取られたとのこと。一般的にも産後2週間のころが一番ママの不安が高まる時期です。その一番不安なときにパパが一緒にいてくれた。それだけでもすごく心強かったと思います。

頼る先がない場合には、どのような公的サポートが受けられるかを相談して。

コメント:笠井靖代さん

実際には、パパにも実家にも頼れない場合もあると思います。最近では、出産する病院などに医療ソーシャルワーカーという専門職がいますので、どのような公的なサポートを受けられるかを相談したり、アドバイスをもらうこともできると思います。

地域の中にも子育て世代包括支援センターの整備が進んでいる。

コメント:市川香織さん

地域の中でも、生活の身近なところで相談できる場所が増えてきています。市区町村では子育て世代包括支援センターの整備が進められており、ワンストップで、妊娠中から子育て期のママたちが相談できる場所が作られつつあります。

1人目の妊娠中、心のバランスが崩れた。2人目もそうなるのではと心配です。

産後、体力が低下していつもつらい。

子育て世代包括支援センターとは

PR

×     閉じる