厳しくしつけていくことで、親子関係に悪影響はない?

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2020/11/28

出典:すくすく子育て[放送日]2020/11/28[再放送]2020/12/05

長男へのしつけで悩みがあります。例えば、子どもたち3人でお菓子を分けるように言ったら長男が拒否したので強く責めたことがあります。ひとり占めはいけないというルールを分かってほしかったのです。そこまで叱らなくてもいいかも、と思うこともありますが、その時々で叱り方が変わらないほうがよいと思い、厳しくなりがちかもしれません。そのようなことが続くうちに、長男はわがままを言わなくなり、言葉に詰まって泣くこともありました。長男に無理をさせているのではないか、困ったときに親に助けてと言えない関係になるのではないかと不安です。厳しくすることで親子関係に悪影響がないか心配です。
(3歳の男の子、1歳の男の子と女の子のママ)

子どもの気持ちを考えられていれば大丈夫

回答:大日向雅美さん

一般的に、子どもの無理や我慢に気がつかず「偉いね」と思っていることが多い中、子どもの気持ちに気づいて、涙を流していらっしゃる。このまま子どものことを考えて、自然の流れで対応していけば問題ないと思います。お兄ちゃんも大丈夫ではないかなと思います。

上の子には期待し過ぎてしまうもの

回答:大日向雅美さん

あくまで一般論ですが、どの家庭でも上の子に厳しくなりがちです。上の子に対する期待もありますが、下の子が生まれると、上の子の年齢が3〜4歳ほど上に見えるようになることがあるのです。期待し過ぎているのかもしれない、無理なことを言っているのかもしれない、と思っておくとよいかもしれません。
また、上の子への言葉がけは「お兄ちゃんだから、我慢しなさい」ではなく、「さすが、お兄ちゃんね」と、ほめてあげることも大事です。

子どもが主体的に考えて、相手を尊重する心を育むことが大事

回答:大日向雅美さん

ルールや道徳判断の発達を研究していた発達心理学者のピアジェによると、「大人は善悪を教えようとするが、本当に子どもが身につけるべき善悪の判断とは、自分で主体的に考えること、相手と自分の関係をしっかり踏まえて相手を尊重する心を育むこと」だといいます。
2〜3歳の場合は、「それはだめよ」と教えなければいけないこともあります。でも、4〜5歳になれば、失敗もたくさんさせて、いいか悪いかを言う前に、「どうしてなのかな」「友だちはどう思うかな」と一緒に考えてみましょう。そんなやりとりを続けることで、小学校の5〜6年になったときに、相手の立場で考えて自分自身を律することができるようになります。これが、ルールを守る本当の目的になるのです。自分で善悪を考えないと、偉い人や年長者の言う通りに動く、権威主義的な人間になってしまいます。私たちは、そんな人を育てたいわけではないですよね。何よりも相手のことを尊重することができる心を育んであげたいと思うなら、「これはだめ」と言う前に、ときには「どうしてかな? 」「どう思う? 」のように、ボールを返してあげることも大切ですね。

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