子どもの目(1)目の発達

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2023/10/16

出典:まいにちスクスク[放送日]2023/10/13[再放送]2023/10/16

子どもの「見る力」を育てるには、小さいころ、特に3歳までの時期がとても大切です。小児眼科・専門医の富田香さんに教えてもらいました。
今回は、見る力の発達についてです。

講師:
富田香(小児眼科専門医)

赤ちゃんはどのくらい目が見えているの?

生まれたばかりの赤ちゃんは、明るい・暗いなど、ぼんやりとしか見えていない状態です。

視力は生後1か月くらいから急速に発達し、1歳で0.2、2歳で0.5、3歳で0.6くらいになり、5歳ごろに8割の子が1.0に達します。6~8歳で視力の発達は完了して、大人と同じくらい見えるようになります。
※あくまで発達の目安で、個人差があります

見る力の発達は脳の発達

実は、生まれたときから目の構造や機能は大人とほぼ同じで、だいたいできあがっています。では、視力が低いのはどうしてなのでしょうか。

それは、視力の発達は「脳の発達」だからです。何かを見たとき、網膜に映った視覚情報は、視神経から脳に送られます。脳がその情報を認識することで、はじめて「見えた」ことになります。「視力」とは、目から入った像を視神経から脳に伝え、脳で情報を処理するところまでを含めた仕組みなのです。

見る力を育てるために

赤ちゃんは、脳で認識する仕組みがまだ発達していません。「見る力」を育てるためには、さまざまなものを見ることが大切です。

生まれたての赤ちゃんであれば、親や家族が抱き上げて笑顔を見せてあげましょう。人の顔や表情を見ることで、視覚や脳の発達も進んでいきます。

いろいろなかたちや色、動いているものや止まっているもの、近くのものや遠くのもの。室内だけでなく、外で遊ぶときもいろいろなものを見ることで、視覚と脳が育ちます。「見たい」という気持ちも大切です。

自分で動けるようになると、移動することで、ものとの距離によってピントを合わせる、見るものに視線を動かすといった行動がでてきます。おもちゃなどいろんなものがあると、「見たい・触りたい」という気持ちが運動の刺激になり、見ることの刺激にもなっていきます。コントラストがはっきりした絵本や、積み木やブロックなど、手先を使う遊びもいいでしょう。

さらに、見る力を育てるために重要なことは、両目同時に、網膜に鮮明な像が映ることです。ピントの合った像の情報が脳に送られないと、視力が発達しないのです。

赤ちゃんの目で気をつけたいこと

赤ちゃんの目がちゃんと見えているかどうか、どんなところをチェックすればいいのでしょうか。

暗いところなどで、猫のように目が白く光る場合は、先天性の目の病気の可能性があります。必ず眼科に行きましょう。

そのほか、赤ちゃんのうちに気をつけたいことがあります。

〇ママやパパをしっかり見ない
〇動くものを目で追わない
〇黒目が細かく揺れる
〇黒目の位置がずれている など

子どもの目の位置は、時期によって変わることもあるので、定期的に正面から写真を撮っておくと、受診の際に役に立ちます。

「目がよく見えていないのでは?」「目の位置がおかしいのかも」など、気になることがあったら、そのままにせず、受診をためらわずに眼科に相談してください。

眼科を探すときは、日本小児眼科学会や日本弱視斜視学会のホームページを参考にしてみてください。


まいにちスクスク「子どもの目」の番組記事

まいにちスクスク
 
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