子育ての疲れ(4)子育て中に感じる孤独

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2020/08/13

出典:まいにちスクスク[放送日]2020/08/13[再放送]2020/08/20

子どもはかわいい、でも子どものペースに振り回されたり、言うことを聞かなかったりして、疲れてしまう…… そんな悩みが、多くの親から番組に寄せられました。そこで、親子の心理を研究してきた大日向雅美さんに話を伺います。
今回のテーマは「子育て中に感じる孤独」です。

専門家:
大日向雅美(恵泉女学園大学 学長/発達心理学)

子育てに疲れている方へのメッセージ

親が育児の適性を持っている、特にお母さんに対してそのようなイメージがありますが、その前提自体がおかしいと思ってください。「子育ては疲れて当たり前」と考えて、自信を持って自分自身を認めてほしいと思います。
(大日向雅美さん)

毎日が同じことの繰り返し……

—— 家事や子どもの世話を頑張っていますが、毎日、ずっと同じことの繰り返しです。子どもとしか接していない毎日に、孤独を感じてしまいます。

孤独だからこそ、人とのつながりが強くなる

大日向雅美さん

私たちは、「孤独」をネガティブにとらえることが多いと思います。でも、孤独だからこそ、人とのつながりが強くなることがあるのです。孤独に身を置くと、他者を思い、人との絆を大切に思う心が、芽生えることがあります。
私自身、子育てで余裕がないとき、ふと「この子は今元気だけど、もしものことがあれば、子どもに付きまとわれてつらいなんて思えなくなる」と想像したことがあります。人間の想像力には、別の空間・時間を経験できる能力があります。毎日同じことの繰り返しの中に、新しい空間を見つける、人間ならではの心の作用だと思いますね。

「子どもが巣立ったら」という空虚感がある

—— 毎日「子どものために」と頑張っているけど、ふとしたときに、「子どもが巣立ったら、自分はなんのために生きていくのだろう」と空虚感をいだくことがあります。

子どもへの愛情が、自分のためになっていないか

大日向雅美さん

親が「子どものために」と思っていることは、本当に子どものためでしょうか。本当に、子どものことを考えた思いを「対象愛」といいます。「対象愛」であれば、子どもが親とは別の人生を、子ども自身の人生を歩むことを、喜びと感じるはずです。
でも、「子どものために」と言いながら、ややもすると、自分のため(自己愛)になっていることがあります。子どもが巣立つことは、親が「自分」を失う、喪失感をいだくことになるでしょう。もし、そのような意味であれば、親の愛情が、子どもへの負担になっていないか、チェックを働かせることも大切です。自分を全部捨てて、子どものためにと思っている場合は、自己愛になっている危険性が少なくありません。
まずは、親が自分を大事にすることが大切です。そして、親としてではない「私」自身のこれからについて、ときどき思いをはせてみる。そんなふうにして、わが子と適度に心の距離をとる練習をしていってみませんか。

まいにちスクスク
 
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