親が自分を大事にするためには

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2018/11/24

出典:すくすく子育て[放送日]2018/11/24[再放送]2018/12/01

番組「すくすく子育て」に一通のメールが届きました。
親は子どもとどう関わっていけばよいのか、模範回答のような親にならなければならないのか。そんな悩みに苦しんでいたというひとりのママからです。でも、あることをきっかけに気持ちの変化があり、心の支えができたといいます。
今は、2人の男の子を持ち、瀬戸内海の島で暮らしているというママに、お話をうかがいました。

はじめての育児と慣れない土地で自分を追い詰めていた

結婚前は幼稚園の先生をしていて、結婚後にこの島に移り住みました。子どもが大好きで、学校や職場で子どもとの関わり方を学んできたので、子どもに寄り添える自信がありました。でも、長男が産まれてみると、現実は全く思い通りにならずにショックを受けたんです。
そのころは、島に誰も知り合いがいない状態で、はじめての育児と慣れない土地に不安がありました。その上、「幼稚園の先生だから子どものあつかいが上手だろう」という周囲の期待を勝手に感じてしまい、ますます自分を追い詰めていました。

子どもにイライラをぶつけてしまう

ママ友が欲しいとは思いませんでしたが、長男の遊び相手を探しに育児サークルに参加することはありました。それも、2人目の妊娠をきっかっけに、サークルから足が遠のいてしまったんです。
その後、次男が生まれると、2人の子育てでさらにイライラするようになりました。ささいな理由で長男を責めて、叱ってしまうような毎日でした。長男の顔を見ることがストレスだったこともあります。パパに「もう無理だから、1~2か月離れたい」と相談したこともあります。それほど、子どもと一緒にいることが嫌だったのです。
長男にひどくあたってしまった後は、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、その思いをノートに書いて反省していました。それでも、翌日は同じことの繰り返しです。

2つの転機で生まれた気持ちの変化

そんな苦しい状態の転機になったのは、長男の幼稚園入園です。子どもと離れる時間ができたことで、心の余裕が生まれたんです。そして、もうひとつの転機は、同じ幼稚園のママから「家族で一緒に遊ぼう」と声をかけてもらったこと。それまでママ友は必要ないと考えていましたが、長男との関係に行き詰っていたので誘いを受けました。それから始まった交流の中で、私の気持ちに変化が起きました。
例えば、私の子どもを他のママが褒めてくれる。自分でも気づかなかった子どものよいところを客観的に教えてもらえるのです。そして、子どもが悪いことをしたら、ママたちが他の家の子どもでも叱ってくれる。それで気持ちが楽になりました。
今では、自分からママたちに声をかけ、みんなで遊ぶ機会をたくさん作るようにしています。
ひとりで抱えていた心配ごとも、ママ友同士で話せるようになりました。ママ友も、子どもたちも、まるで家族のように注意し合って、褒め合っています。みんなで子どもを見守りながら、本音で語りあえる仲間がいることが、心の支えになっています。

子どもを愛する基本は、親が自分を大事にすること

大日向雅美さん親になるとはどういうことなのか、いろいろなメッセージがこめられていると思います。幼稚園で働いていたので、専門的な子育ての知識を活かせば愛情も注げると思っていたのに、現実は違った。でも、子どもが入園して、子どもと離れる時間ができたことで、結果的に少し自分を取り戻せた。その後、ママ友が関わってくれて、さらに距離感ができて、自分の生活を取り戻すことができた。自分を大事にするための時間と心ができたわけです。親となって子どもを愛することの基本は、子どもだけではなく、自分自身の人生と生活の足場をしっかり持って大事にすることなのです。
(大日向雅美さん)

母親が孤立して子育てした経験は人類の歴史にはない

汐見稔幸さん人類の歴史の中で、母親が朝から晩まで子どもと向き合って、孤立して子育てをした経験はありません。これまでは、常に集団で子育てをしていたことがわかってきています。
子育ては、いつも子どもが中心となるので、とてもストレスがたまる営みでもあります。ストレスを吐き出せないでいると、どうしても子どもに向かってしまう。だから、上手にストレスを発散しないといけません。いちばん簡単な方法は、人と話をしたり、笑い合ったりすることです。
このケースでは、ママ友が他のお子さんまで叱ることができる、とてもよい関係ができています。ここまでの関係を作るのは大変だと思いますが、現代でも人のつながりによって子育ては楽しくなり、らくになるのだと改めて教えられました。
(汐見稔幸さん)


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