【専門家に聞いてみよう】子どもにつけてほしい力って?(6)

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2019/05/17

子どもにつけてほしい力って? ~「非認知的能力」と「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」~

「子どもに幸せな人生を歩んでほしい」「先行き不透明な時代に、子どもには生き抜ける力をつけてほしい」・・・では、そのためには、子どもはどんな力を身につけたらいいのでしょうか?

最近、しばしば耳にする「非認知的能力」や「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」について、“詳しくはわからないが、なんとなく身につけておくとよさそうな力”だと感じているパパ・ママもいらっしゃるのではないでしょうか。

そこですくコムでは、「非認知的能力」「10の姿」についてのいろいろな疑問を、幼児教育の専門家、大豆生田啓友さんにうかがいました。そこには、“幸せな人生” “生きる力”のヒントがありましたよ!

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Q
「非認知的能力」を身につけると幸せな人生が送れる、というのはどうしてですか?

「幸せの条件」とは

幸せの条件ってなんだろう? 自分が幸せであるのはなぜだろう?って考えると、「自分がいま夢中になっていることがある」っていうことだと思うんです。人間、もともと生まれもっての能力の違いってありますよね。だから、「できない」ことに目を向けて、「これが足りない、あれが足りない」って気にしていても、不幸せになっていくだけじゃないかと思うんです。それよりは、「好きなこと・夢中になっていることがある」が幸せの条件だったほうが、気が楽じゃありませんか?

幸福感の研究では、楽観的であるとか楽観性があるということが幸福感と関連があるということがわかってきているんですが、幸福の条件としてもうひとつ、この“楽観的”ということが重要な気がします。当たり前といえば当たり前なんですけど。人生の中で、うまくいかないことがあったときに、「まあいいか」と思えることで、気持ちをたて直し、状況をたて直していけるのは大きな力ですよね。

ゆるっと「非認知的能力」のススメ

私は、この「まあいいか」という感じが大事だと思うんです。この「まあいいか」と思えることが非認知的能力とイコールかどうかは微妙なところもあるんですが、よく言われる非認知的能力の要素には、「意欲」とか「やりぬく」とか、ポジティブ系の言葉が多いような気がしませんか? なんとなく、私にはそう感じられるので、ポジティブ系だけじゃない「非認知的能力」のニュアンスも強調しておきたいな、と考えています。生きていく中で、いつもどんな時でもポジティブ系でうまく行くか、っていうと、それが受け入れられない状況や環境もありえると思うんです。その時に、「まあいっか。うまくいかなかったよ、今回は。」っていうのも、やっぱり大事な力で、そのことによって落ち込みすぎることなく、“それなりの幸福感”にたどり着きやすくなるのではないかな?と思います。

世の中には、もともとポジティブ系ではないタイプの人もたくさんいますよね。そんなタイプは、いつもいつもポジティブになっていられないし、かえって疲れちゃう。一生懸命背伸びして、自分の本当の気持ちを曲げてポジティブになっていると、いつか無理がきますよね。それよりも、人からはちょっと受身に見えるかもしれないけど、ゆるっと状況にあわせて気持ちを落ち着けていくという方法があう人もいます。非認知的能力と幸せ、というテーマについて考えるときに忘れてはいけないのは、「あなたらしさが十分出せてる」ってことなんです。その方が幸福感が高いな、と。無理せず、あなたらしく、幸せに。自分のことを振り返ってもそう思いますしね。

snm_001_p大豆生田啓友(おおまめうだ・ひろとも)
玉川大学教育学部教授(幼児教育学・子育て支援)
幼稚園教諭の経験をもち、保育所・幼稚園や子育て支援施設をフィールドとして、幼児教育・保育・子育て支援についての実践研究を行っている。3人の子どもの父親でもある。

幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿

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