豆先生の自然塾 ~未知へのチャレンジ編~(1)
自然遊びには、子どもがたくましくすくすく育つ力「非認知能力」を育む要素が満載です。幼児期の成長に大きな影響を与えるおすすめ自然遊びを、2回に渡って紹介します。大豆生田啓友さんプレゼンツ「豆先生の自然塾」、第2回は「未知へのチャレンジ編」です。
専門家・ゲスト: 大豆生田啓友(玉川大学 教授/乳幼児教育学) 高岸宏行(お笑いタレント/1児のパパ)
一歩進んだ自然遊びに挑戦
豆先生の自然塾に参加しているのは、新米パパのティモンディ高岸宏行さん、個性あふれる子どもたちとその親の4組。第1回では、生き物探しや五感体験など、自然の中で遊ぶうちに思いやりや社会性を身につけて成長する姿がみられました。
今回は、一歩進んだ自然遊び「山歩き体験」「どろんこ体験」に挑戦。子どもたちにとって未知へのチャレンジの連続です。
山歩き体験に出発!
「山歩き体験」に参加するのは、かんげんくんとそらちゃん。森のガイド、がっちゃんと一緒に感覚を研ぎ澄ませて森を歩くと、どんな発見があるのでしょうか。
早速、そらちゃんが「シャキシャキ」音がすると気づきました。落ち葉を踏んだときの音です。かんげんくんは、「ザッ」という音に聞こえるそうです。
感じたことを自分なりの言葉で表すことは、幼児期に大事なこと。そんなおしゃべりをしながら子どもと歩けるといいですね。
耳元で落ち葉を触ってみるとどうでしょう。子どもたちは「グシャグシャ」「ザザ」、パパとママは「パリパリ」と表現しました。
大豆生田啓友さん これはオノマトペ(擬音語・擬態語)ですね。子どもたちは、「ニュルニュル」など、感じたことをリズムの言葉にすることが多く、表現として多様です。豊かな言葉が出てくるので大事にしたいですね。
耳をすませて山を歩こう
自然遊びに慣れてきた子どもたちは、自然の音に敏感に反応するようになりました。
せみの声に気づいて、耳をすませてみました。すると、鳥の声にも気がつきます。
豆先生が「鳥がどのくらいいるかな?」と聞くと、「4」と答えてくれました。「男の子か女の子かな?」「大人か子どもか?」と話を広げていきます。
大豆生田啓友さん 子どもたちは、環境の刺激からイメージを広げていきます。自然の場では特に、いろいろなイメージが広がっていきます。
自然塾ポイント
子どもは自然の中でいろいろな「音」に気づきます。目に見えない音の正体を頭に描くことで想像力が養われるので、いろいろ質問を投げかけてみましょう。
五感をフルに使う山歩き
森のガイド、がっちゃんが何かを発見しました。みんなに「葉っぱを触ってみて」と促します。
※専門家指導の下、安全管理を行っています
さわってみるとフワフワします。虫メガネで見てみると、小さな毛がびっしり生えているのです。
これは「モチツツジ」。つぼみを触るとモチモチします。ツツジの仲間で、茎や葉の腺毛(せんもう)からネバネバした液を出す「とりもち」が名前の由来になっています。
まだまだ五感で体験は続きます。今度は、木の黒い所の匂いを嗅いでみます。ここは、クワガタやカブトムシのごはんになる樹液が出ている場所。匂い・嗅覚で感じることも大切なのです。
大豆生田啓友さん 五感を通して大事なことを学びます。乳幼児期の子どもたちは自然が好きで、自然の場に来たら興味・関心を持って自然に関わります。自然の中にどんどん巻き込まれて、どんどん意欲的になっていく姿がみられるでしょう。
自然塾ポイント
五感を刺激する体験を重ねると、探究心が芽生えて意欲的に行動する力がついていきます。そして、未知のことに対して積極的にチャレンジできるようになります。
自然の遊具で遊ぼう
少し涼しいところにやってくると、V字に分かれた木の幹を発見しました。
みんなで幹の間を通れるかチャレンジします。自然の中には、こうした遊びの種もあふれているのです。
すき間が狭い所を見つけて、豆先生が挑戦したけど、なかなか通れません。
今度はそらちゃんがママと一緒にチャレンジ。うまく通れました。すると、かんげんくんもチャレンジ。親子のコンビネーションで通り抜けました。
大豆生田啓友さん 人のマネをしたくなるのは、幼児の特徴です。誰かがしていることを見て「わたしもやってみたい」となるのは、自分の経験の幅を広げることになります。
気がついたら登っちゃった
大豆生田啓友さん こうやって山歩きをしていると、子どもたちは山を登っている感覚があまりないと思います。途中が楽しくてワクワクしているから、「気がついたら登っちゃった」ことが大事なのです。
自然塾ポイント
森の中は遊びの宝庫です。遊んで楽しみながら、あっという間に目的地に到着できます。
絶景スポットでひとやすみ
山のぼりを始めて30分、景色が開けたところに出ました。
みんなで山びこにチャレンジします。全身を使って大きな声を出すことも、ふだんはなかなかできません。子どもたちは興味津々です。いちばん声が大きい高岸さんもチャレンジして盛り上がりました。
大豆生田啓友さん 山びこのように、子どもたちが自然の場所に来ると、自然の不思議・科学の不思議にたくさん出会えるので、大事な経験になります。
山歩き体験を終えて
山歩きを終え、スタート地点に帰ってきました。子どもたちも「もう1回行きたい」ぐらい楽しかったようです。
高岸宏行さん 子どもたちがいろんなものに興味を持つのを見ていて、こっちが楽しくなってきました。それを一緒に共有したい気持ちになりましたね。思い出がひとつ増えました。![]()
大豆生田啓友さん 山や森を歩くとき、大人はゴールへ向かうことを考えますが、子どもは途中でいろいろなものを見つけます。自然の中では、どんどんイメージも湧いてきます。森・山を歩く経験には、これだけ豊かさがあるのです。
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