子どもの食事を安全に(2)窒息を防ぐ! 食べ方&食べさせ方
毎日の子どもの食事。窒息事故や食中毒を防いで安全においしく食べる習慣をつけたいですよね。子どもの食事の安全について教えてもらいました。
講師: 川口由美子(管理栄養士/母子栄養協会代表理事)
はじめに
川口由美子さん 食品による窒息事故には、「走り回りながら」「口につめこみすぎた」など、食べるときの行動が原因のものもあります。![]()
窒息につながりにくい食べ方
「上体をおこして食べる」「食品が口の中にあるときはしゃべらない」といった基本が大切です。
さらに、窒息につながりにくい食べ方は「のどを潤す」「つめこまない」「よくかむ」「集中する」の4つです。
食事のときは、水分をとってのどを潤しながら食べましょう。
ひとくちにつめこまないためには、「はし・フォークを使ってひとくちの量を小さくする」「食べるのを急がせない」といった配慮も必要です。
よくかむことも、窒息のリスクを下げます。親も同じものを食べて、子どもに食べ方を見せることで、よくかむことを教えることができます。
これを「共食(きょうしょく)」といいます。周りの人が一緒に食べていると、子どもは食事に集中しやすくなります。また「食べるのは楽しい」「かむのは大切」ということがわかってきます。
そして、食事に集中しましょう。子どもが「怒る」「泣く」「驚く」「眠そう」なときは、窒息や誤えんのリスクが高まります。食事を中断しましょう。
食後は、子どもの口の中に物が残っていないか確認することが大切です。麦茶や水を飲ませて「きれいになったね」「たくさん食べたね」というような声がけをして、食べ残しがないか口の中を確認してみてください。
食品がのどにつまったときの応急手当
万が一、食品がのどにつまったときの応急手当を、飯村知広さん(小児救急看護認定看護師)に教えてもらいました。
「窒息かもしれない」と考えた場合は119番へ通報し、窒息の解除をおこないます。
「首に手をあてる」「言葉が出ない」は、窒息のサインです。窒息すると数分で呼吸がとまります。すぐに119番に連絡しましょう。
このとき、つまったものを取ろうとして、無理に口の奥に指を入れてはいけません。つまったものをのどの奥に押し込むおそれがあります。
0歳の応急手当
手の上に、赤ちゃんをうつぶせにしてしっかり頭を支えます。
左右の肩甲骨のあいだを、手のつけ根で5回たたきます。ためらわず、強くたたきましょう。
次は赤ちゃんをあお向けにし、手のひら全体で頭を支えます。
乳首の中心部から少し下を2本の指で5回、強めに押します。
つまった食品が出てくるまで、2つの方法を交互にくり返します。
1歳以上の応急手当
子どもの背中側から、おなか付近に両手をまわします。
へその上を、グーの手でななめ上に5回突き上げます。
勢いよく押すことで、つまった食品をはき出させます。
この方法がやりづらいときは、背中をたたく方法を行います。
左右の肩甲骨のあいだを、手のつけ根で5回、強くたたきます。
つまった食品をはき出すまで、くり返しおこなってください。
意識がなくなったら
もし途中で意識がなくなったら、心臓マッサージと人工呼吸を開始してください。
こちらも参考に
こちらのサイトに、より詳しい情報があります。参考にしてください。
〇日本小児科学会 ― 食品による窒息 子どもを守るためにできること
〇こどもの救急 ― こどもの事故と対策【窒息】
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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