イヤイヤ期の子どもへの対応といえば、子どもの気持ちに寄り添って、共感的に関わること。でも、うまくいかなくて落ち込んでしまうことがありませんか? だれでも簡単に試せる目からうろこのイヤイヤ対処法など、新しいイヤイヤ期の乗り越え方を紹介します。

専門家:
麦谷綾子(日本女子大学 教授/発達心理学)
宮里暁美(お茶の水女子大学 特任教授/保育学)
今回のテーマについて
丸山桂里奈さん(MC)
娘が今イヤイヤ期なので、今回のテーマはとても気になります。何でも自分でやりたがるし、いつも怒っているし、道端に寝転びっぱなしになるし。どうすればいいんだろうと思ってます。
―― イヤイヤ期の乗り越え方のポイントは?
親子関係が行き詰まらないような関わりが大事
回答:麦谷綾子さん
英語でも「Terrible twos」と言います。「ひどい2歳」「恐ろしい2歳」といった意味です。親も子も、お互いに思い通りにならないので、親は「あんなに怒るんじゃなかった」と罪悪感が強くなりがちな時期です。悪循環を避けるためにも、親子関係が行き詰まらないようにするのが大事です。
「思い詰めない」「追い詰めない」を大事に考える
回答:宮里暁美さん
イヤイヤ期は、親も子も訳がわからない状態だろうと思います。私としては「思い詰めない」「追い詰めない」という言葉が浮かびました。その点を大事に考えたいと思っています。
イヤイヤ期っていったい何なの?
みんなは子どもがイヤイヤしたとき、どうしていますか?
シン・イヤイヤ対処法とは?
周りと比べるのではなく、子どもの少し前の姿と比べる
麦谷綾子さん
子どもは日々成長し、毎日変わっていきます。イヤイヤ期はみんなが通ると思いますが、個人差が大きく、イヤイヤが強く出る子もいれば、緩やかな子もいます。どうしても周りの子と比べてしまいがちで、「なんでうちの子はあんなにイヤイヤ言ってるんだろう…」と落ち込むことがあるのではないでしょうか。でも、周りの子どもや親と比べるのではなく、その子の少し前の姿と比べたら、あらゆる側面で変わっています。あっという間に成長し、あっという間にイヤイヤ期も終わる。「イヤイヤ言ってた時期があったんだ」と思えるときが来ます。そういった見通しを持ってみてください。ぜひ、これまでの変化、これからの変化を楽しんでほしいと思います。
子どもがすてきな人になるために大事な時期だと思って
宮里暁美さん
とても楽しい語り合いができました。子どもを追い詰めないし、親も思い詰めない状態。あるいは、気分がちょっと変わるチャンスが、暮らしの中にたくさんあります。例えばプランターで花を育てたり、料理をしたり、何か匂いがしたり、虫が飛んできたり、人が訪れたり。いろんなことに開かれた暮らしをしながら、子どもがすてきな人になっていくために大事な今を葛藤していると思って過ごしてほしいと思います。サポートする人は、みなさんの周りにたくさんいると思いますよ。
りんたろー。さん(MC)
勇気づけられますね。イヤイヤ期は、ただ耐えなきゃいけないものかと思っていました。とりあえず、動物の鳴き声をたくさん自分の中に持ちたいと思います。
丸山桂里奈さん(MC)
鳥の鳴き声をほめられたのはうれしいです。ママの先輩から「うちの子どもはそんなにイヤイヤ期がなくて楽だった。大変だね」と言われて、「うちの子はこんなにイヤイヤがあってダメだな」と、落ち込んでいました。イヤイヤ期で子どもが成長して、いろんなものを感じると知ってよかったです。