「ママが嫌い」は子どものホンネ?

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2022/12/10

出典:すくすく子育て[放送日]2022/12/10[再放送]2022/12/15

次女を妊娠して半年ごろから、長女は何をするにしても「パパがいい」「ママが嫌」と言うようになりました。私は一生懸命なのに嫌がられてとても悩みました。今では仲よくしていますが、言葉を真に受けてぶつかりあう毎日が2年ほど続いたんです。当時育休をとっていたパパは、「『パパがいい』と言ってくれるのはうれしいけど、妻のことが心配で、その言葉が出ると緊張していた」といいます。
今考えると、目の前のことで余裕がなかったのかもしれません。「ママが嫌」と言われると、売り言葉に買い言葉で、「ママはもう明日から世話をしない」と言って余計に泣かせてしまうこともありました。そんなときは、娘が寝てから「ごめん」と泣いていました。
「ママが嫌い」という言葉が本音だったのか、なぜそんなことを言っていたのか、今も気にしています。娘は天真爛漫で聞き分けのよい性格なので、余計に心配です。
(お子さん3人のママ)

言ったことの全てが本音ではない

回答:帆足暁子さん

子どもが言葉で言ったことの全てが本音ではありません。自分の気持ちと一致していないことがとても多いのです。「ママ嫌い」と言いながら甘えてくることもあります。
子どもの言葉が増えて、言葉のやりとりで大丈夫だと思ったことで、お互いの気持ちが離れるようになったかもしれません。言葉だけを捉えてコミュニケーションするのではなく、子どもの姿から「この子はどんな気持ちでいるのか」をみていくと、その気持ちや本音がわかってくるように思います。

「ママの期待に応えたい」が本音

回答:帆足暁子さん

おそらく、お子さんは一生懸命頑張って、ママの期待に応えようとしていたと思います。一方で、ママも理想の親でいようと頑張っていて、そんなママの期待にうまく応えられず、「私のことを怒ってばかりいる、こんなに気持ちを訴えてるのにわかってもらえない、そんなママは嫌い」と感じていたのでしょう。その気持ちを十分に言葉で伝えることができないので、「パパのほうがいい」と言ってしまったと思います。

子どもの「嫌い」は大人とは使い方が違うことも

回答:鈴木八朗さん

2年間続いたのは相当につらかったことでしょう。私は20年ほど保育園の園長をしていますが、いまだに「嫌い」と言われるとショックを受けます。
子どもたちの「嫌い」は、大人の使う拒否の意味とは違うこともあります。例えば、大人の場合は「顔を見るのも嫌だ」や「言い方が嫌だ」のように、どのように「嫌」なのか説明できます。でも、子どもの「好き・嫌い」は、ひと言で言い切ることができる便利な言葉なのです。

「嫌い」と言われたら親の気持ちを伝え直す

回答:鈴木八朗さん

子どもが「嫌い」と言っても、親が考える意味であるとは限りません。言われたときは、「嫌いって言われると、ママちょっとショックだな」「〇〇ちゃんは私のこと嫌いって言ったけど、ママは大好きなんだよ」のように、親の気持ちを伝え直してあげるのもいいでしょう。

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