甘えてばかりいて、自立できるのか心配…

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2020/07/25

出典:すくすく子育て[放送日]2020/07/25[再放送]2020/08/01

6歳になる息子の甘えに困っています。絵が上手に描けない、おやつが足りないなど、思い通りにいかないと、すぐに泣き出して甘えてきます。もう6歳だから、泣いてないでもっと強くなってほしい、というのが正直な気持ちです。
実は、仕事のため海外で生活していたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で一時帰国しています。甘えん坊になったのは、それからです。今は受け止めて共感するようにしていますが、もうすぐ小学校にあがると思うと、気持ちが焦ります。自立をうながすために、突き放したほうがいいのでしょうか。
(6歳 男の子、3歳 女の子のママ)

年齢に関係なく必要な甘え

回答:遠藤利彦さん

6歳でも、8歳でも、あるいは思春期でも、大人であっても、「アタッチメント」は重要なものとしてあり続けます。怖さや不安、フラストレーションなどで感情が崩れたときに、あの人と一緒にいたい、少し話をしてみたい。身体的な意味だけでなく、心理的な意味でもくっついていたい。信頼できる誰かと一緒にいることで、感情を元通りにしようとするのは、年齢に関係ありません。ひとりでも、そういう存在の人がいる、とイメージできるだけで、私たちは心の落ち着きを保つことができるはずです。

「甘え」は自立への助走のようなもの

回答:汐見稔幸さん

お子さんは、海外から日本に来て、習慣も遊びも仲間も違う、おそらく全く違う環境で生活することになった。新しい環境に適応することは、相当なストレスになっている可能性があります。ストレスを発散するために、一度うしろに戻っているように感じます。自立への助走をするために、うしろに下がった、ともいえます。ですので、あまり心配しなくても大丈夫です。しばらくは、お子さんの甘えを受け止めてあげたほうがいいと思います。

私たちの世代では「甘えはよくない、頑張って自立する」ことがよしとされた文化が続きました。その影響で、「甘えるなんて、とんでもない」と思う人が多いと思います。でも、「甘え」は、上手に人に頼りながら、自分を取り戻す力なのです。甘えることで、心のバランスを取り戻せる。必要なときに、しっかり子どもに甘えさせてあげると、うまく自立していくのです。

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