熱中症かもしれない…… どう応急処置すればいい?

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2020/07/18

出典:すくすく子育て[放送日]2020/07/18[再放送]2020/07/25

子どもに熱中症を疑う症状があらわれたとき、親はどのような応急処置をしたらいいのでしょうか?

「体を冷やす」と「水分を補給する」の2つがポイント

回答:白石裕子さん

熱中症かなと思ったら、応急処置のポイントは「体を冷やす」と「水分の補給」の2つです。

体を冷やす

まずは、子どもの体を冷やしてあげましょう。屋外の場合は、日陰など涼しい場所に移動することが鉄則です。屋内の場合は、エアコンの効いた涼しい部屋に移動してください。 次に、体にこもっている熱を逃がすため、太い血管があるところを冷やします。首、わきの下、脚の付け根などです。 熱が高い場合は、体を少しぬれタオルで拭いて、うちわで仰いであげます。気化熱によって、熱がよく放散するので、早く熱が下がります。

水分を補給する。乳児は母乳・ミルクを

大量の汗をかくと、体の水分が失われるので、すぐに水分補給が必要です。このとき、塩分も失われています。塩分も一緒に補給してあげると、体に水分がよく吸収されるといわれています。 <乳児の場合> 乳児の場合は、母乳やミルクを飲ませてあげましょう。母乳やミルクの中には、水分や塩分や糖分など、赤ちゃんに必要なものがすべて入っています。そうしたものが飲めていれば大丈夫です。 <幼児の場合> 幼児の場合は、乳幼児用のイオン飲料や、いつも飲んでいる麦茶・ジュースなどでよいでしょう。 それでもぐったりしている、どこか様子がおかしいと感じる場合は、次の段階として経口補水液がひとつの選択肢になります。
体を冷やすために、おでこに貼る冷却シートや、冷却スプレー・制汗スプレーを使ってもいいのでしょうか?

使うときは注意が必要

回答:白石裕子さん

冷却シートでは、熱中症の熱は下がりませんが、体に貼って子どもが気持ちよさそうであれば、使ってもよいでしょう。
冷却スプレー・制汗スプレーは、子どもの体を冷やす目的で作られたものではありません。小さな子どもの場合は、熱が下がり過ぎる心配もあります。使う場合は、手足などの状態をみながら、体温が下がり過ぎていないか注意してください。応急処置としては、ぬれタオルで体を拭いて、風を送って冷やす方法がおすすめです。
※冷却シートは誤飲や、口や鼻を塞いで窒息するリスクもあります。注意して使用しましょう
経口補水液やイオン飲料、スポーツ飲料は、何が違うのでしょう?

イオン飲料は総称。スポーツ飲料と経口補水液は用途が違う

回答:白石裕子さん

イオン飲料は、水分の中に塩分や糖分が含まれている飲み物の総称だと考えてください。イオン飲料の中に、スポーツ飲料や経口補水液があり、使用する用途が違ってきます。

スポーツ飲料は、スポーツなどで失われた水分や塩分を補給するためのものです。エネルギーを補給するために、糖分も多く含まれています。
それに対して、経口補水液は、飲む点滴といわれています。脱水症状などを起こした人に、治療で与えるものとして開発されています。スポーツ飲料に比較しても、塩分の濃度が非常に高いので、ふだんの水分補給として飲むと、塩分のとり過ぎになってしまいます。熱中症の予防には向きません。

手作り経口補水液

熱中症の症状があらわれたときに飲む「経口補水液」は、家でも乳幼児用のものを作ることができます。水1リットルに対して、塩3g、砂糖40g、香りづけにレモン汁を少々加え、よく混ぜて溶かします。
※作るときは分量に注意してください

体を冷やすことと水分の補給、2つを一緒に

回答:榊原洋一さん

「体を冷やす」と「水分を補給する」の2つが大事ですが、どちらかの処置だけだと十分ではありません。両方を一緒に行うことが大切です。また、水分の補給は、脱水の補正が第一です。まずは、水分がとれるものを飲ませてあげる。応急処置としては、これでかまわないと思います。

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