子どもが急な発熱。子どもにも職場にも申し訳ない気持ち、どうしたらいいの?

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2019/10/05

出典:すくすく子育て[放送日]2019/10/05[再放送]2019/10/12

2歳の息子がいます。社内では中堅で、産休育休を経て昨年4月に復職しました。
今の悩みは、急な発熱での保育園からの呼び出しです。今年の仕事始めには、出社後2時間で保育園から呼び出しの電話があり、気まずい思いで早退しました。職場で外線が鳴るたび、呼び出しかと思いビクッとします。
息子はぜんそくがあるので、一度体調を崩すと何日も続けて保育園をお休みすることが多く、夫婦で交互に仕事を休んでいます。息子がせきをすると夫はかわいそうだと思うようですが、私は先に「仕事どうしよう」と考えてしまいます。母親失格かなと思って胸が痛くなる時もあります。職場の人たちは理解があるのですが、私自身、心苦しい思いでいっぱいです。「仕事を辞めようか」「いや、別に続けていいよね」と悩みながら一年が経ちました。
子どもが病気になると、子どもにも職場にも申し訳ない気持ちでいたたまれなくなる。この気持ち、どうしたらいいのでしょうか?
(2歳3か月の男の子のママ)

ママであると同時に職業人であることに自信を。

回答:大日向雅美さん

電話が鳴るとビクッとするという心境で働くのは、本当に大変だと思います。「母親失格かもしれない」と考えていらっしゃるとのことですが、そんなことは全くありません。お子さんのことを第一に思いながらも、仕事のこと、職場への影響のことを一生懸命考えていらっしゃるのですから、母親失格なんかじゃない。ママであると同時に職業人であることに自信を持っていただいていいと思いますよ。

多くの親が、子どもへの心配と職場への申し訳なさの間で苦しんでいる。

回答:阿真京子さん

子どもの病気でみなさんが困っているのは、子どもが急に病気になること、見通しが立ちにくいこと、きょうだいでうつし合う家庭内感染などがあげられます。
また、『子どもの病気で仕事を休む時の気持ち』を、働くママとパパ300人以上に聞いたところ、次のような結果となりました。


※一般社団法人 知ろう小児医療守ろう子ども達の会調べ

「子どもが心配」の項目で「とてもそう思う」と「そう思う」を選んだ人を合わせると90%。「職場に迷惑をかけ心苦しい」については77%となりました。
多くの人が、子どもへの心配と、職場への申し訳なさの間で苦しんでいることがわかります。

一方、仕事を休まずに病児保育を利用する場合もあります。
利用者の中には「便利でありがたい反面、親としてこれでいいのか、家で見てあげたほうがいいんじゃないかという葛藤がある」と感じる場合もあるようです。
子どもを預ける時、「ママもパパも頑張るから、一緒に頑張ろうね」などというように、声かけをして乗り越えていくとよいでしょう。

<病児保育について>

病児保育は各地で増えていますが、定員や感染症の対応などについては地域によってさまざまです。事前に自分の住んでいる地域の状況を把握しておくようにしましょう。
また、地域によっては病児預かりを行っているファミリー・サポート・センターもあります。

「育児は本来母親がすべき」という社会の“こだわり”を払拭するべき。

回答:大日向雅美さん

子どもと仕事の心配で板挟み、さらに四面楚歌ともいえる状況に置かれているママたちもたくさんいらっしゃるはずです。子どもが熱を出すと心配ですよね。職場にも迷惑をかけているかもしれないと心を痛める。夫の協力もない、頼るあてもないという中で、どのようにしていけばよいかと悩んでいらっしゃるのではないでしょうか。
私は、まず社会の人々の心の中のこだわりを払拭した方がいいと考えています。そのこだわりは、例えばこんな言葉で表されます。
「子どもが病気の時ぐらいはママが見るべきだ」
これは、働くお母さんに対して、「ふだんから子どもを見てないでお仕事しているんでしょう。だから病気の時ぐらいは……」という意味も込められています。
このようなこだわりこそがママたちを苦しめている。こういうフレーズを使うことはもうやめてほしいものですね。

子どもの病気と仕事、みんなはどう工夫し、対応しているの?

子どもの病気と仕事にどう対応しているのか。番組に寄せられたみなさんの工夫をご紹介します。

父親が「看護休暇」を取っている。(2歳と5歳の子のパパ)
以前は私の会社でも「看護休暇=母親の制度」という印象があり、「父親が取るの?」という雰囲気がありましたが、それも次第に変わり、私以外の父親も休暇を取るようになりました。急な体調不良の時は看護休暇を取り、復帰したら仕事に全力で取り組み、バランスを取っています。

看護休暇(育児・介護休業法)
未就学児の両親はそれぞれ、子ども1人につき1年に5日(子ども2人以上の場合は10日)、看護のために休みを取ることができる。

病児保育を利用している。(1歳と6歳の子のママ)
可能なら仕事を休みますが、できない時は病児保育の手配をします。
病児保育は、施設に行くタイプ、自宅に来てくれるものなど、全部で4か所に登録しています。子どもの病状や自分の仕事の都合などに合わせて最適なものを手配します。
早めに休ませて長引かないように気をつけている。(1歳と6歳の子のママ)
仕事の状況が許せば、子どもが体調不良の時は、ギリギリまで粘らず、潔く早めに休ませています。そのほうが長引かないこともあるからです。
職場には、予定していた仕事の内容や緊急度の共有、休むことになりそうな期間などを、明確に伝えるようにしています。

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