「10の姿」で、園はどう変わるの?

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2019/03/02

出典:すくすく子育て[放送日]2019/03/02[再放送]2019/03/09

「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」で、園はどう変わっていくのでしょうか。「10の姿」を意識した保育を実施している認定こども園の様子を見せていただきました。

今回うかがったのは、認定こども園の年長クラス「いちょう組」です。

ホワイトボードに書かれた「今日の予定」には、時間の区切りがありません。みんなが集まる給食と午後の「いちょう組の会議」のほかは、子どもの興味や関心に合わせて自由に活動しています。

午前中は天気がよく、子どもたちは外遊びに出かけることに。思い思いに好きなことをする子どもたちは、楽しく体を動かすことでさまざまな動きを身につけていきます。

広場には、みんなでお世話をしている畑があり、この日は大根を収穫しました。

教室に戻ると、先生は大根をテーブルに置いて、子どもたちの興味をうながしていきます。

すると、虫眼鏡で大根を観察する子、紙で大根畑を作る子、大根料理の本を持ってきた子もいました。大根から、自然、感性、思考力の芽生えなど、子どもたちの興味をさまざまな方向に広げていったのです。

こちらは、木に張ったロープ渡りです。年長組になったときに「1度に3人しか乗らない」というルールを決めました。けんかをしないで、順番を守りながら、仲よく遊べるように成長したのです。

いちょう組のみんなで話し合いをする「いちょう会議」の時間になりました。この会議では、子どもたちが、自分から話し合いたいことを提案します。自分の意見を言い、友だちの意見もきちんと聞く。そうして、言葉による伝え合いが育っていくのです。

子どもたちの自主性に任せた1日の生活は、子どもたちが自由に遊び、いろいろなことをおもしろがる中で、いくつもの10の姿が育まれていました。園の先生は、子どもが興味を持ったタイミングで付き合ってあげることで、10の姿が自然に引き出されるのではないかと考えているそうです。


この園の子どもたちの様子は、どのように見えましたか?

夢中に遊ぶことを通して興味・関心が育つ

大豆生田啓友さん回答:大豆生田啓友さん

大根ひとつから、調べてみたり、作ってみたり、書いてみたりして、子どもたちは興味を広げています。そこに、10の姿のいろいろなことが関わってきます。10の姿は、別々に育てるものではなく、子どもたちが夢中に遊ぶことを通して、子どもたちの興味・関心が育まれ、後で振り返ってみると10のことがあったのだと思います。
親の目線で、子どもたちが遊んでばかりのように見えたとしても、10の姿で考えると違って見えるのではないでしょうか。

主体的と対話的を組み合わせることが大事

汐見稔幸さん回答:汐見稔幸さん

例えば、大人が子どもたちに「みんなでこれを遊びなさい」と決めてしまうと、興味を持つ子がいる一方で、「別のことがしたい」「昨日の続きがやりたい」と思うタイプの子もいます。興味が向いていない子どもは、そこで育つものが小さくなってしまいます。

今、国で強調しているのが、「主体的・対話的で、深い学び」です。主体的とは、子ども自身が「やりたい」と思って取り組むこと。自分で決めたことでなければ、しっかり身につかないのです。対話的とは、友だちや大人と話し合うこと。自由であっても、好き勝手にやってよいわけではありません。みんなで何かをするときや、うまくできないことを誰かに相談するとき、一定のルールの中で、相手に説明したり、相手の話しを聞いたりする必要があります。

この園は、子どもたちが自由に活動する主体的な部分と、みんなで話し合う対話的な部分を組み合わせていて、そこが大事だと感じました。そのことで、子どもたちはさらに興味が広がったり、大事なことに気づいたり、価値観が変わるような深い学びになると思います。

幼稚園はお勉強、保育園は生活というイメージがあります。別のことを教わって小学校で同じにできるのでしょうか?
(4歳7か月の女の子をもつママ)

どの幼児教育施設も同じ目標の教育をする

汐見稔幸さん回答:汐見稔幸さん

幼稚園と保育園で違う教育をすることは、なくなってきています。幼稚園・保育園・こども園、どの幼児教育施設も、3歳以上は1日4時間(平日)の同じ目標の教育をすることになっているのです。

遊びを通した学びが小学校の勉強にも生きる

大豆生田啓友さん回答:大豆生田啓友さん

勉強が教育で、遊びが生活であるようなイメージがあるかもしれません。ですが、今は子どもが主体的に学ぶ「遊びを通した学び」が大事で、それが幼児教育の考え方なのです。遊びが学びなのだということを、「10の姿」を通して小学校へも橋渡しすることも、重要な点のひとつです。
子どもの主体性が育っていると、小学校での勉強も「やらされるもの」ではなく、「ワクワクしてやっていることの延長」として入っていくことができます。そのように小学校の学びをワクワクしながらスタートできることが大事だと思います。

息子が通っている習いごとでは、息子だけが保育園で、ほかの子は幼稚園です。うちの子は興味があるときはきちんと座って先生のお話を聞くのですが、飽きてくると席を離れてしまうなど、ほかの幼稚園の子どもたちと比べて落ち着きがありません。小学校に入ったあとは大丈夫でしょうか?
(4歳3か月の男の子と5か月の女の子をもつママより)

自分がどう振る舞うべきかを考えるようになれば大丈夫

汐見稔幸さん回答:汐見稔幸さん

小学校で、子どもが立ち歩いてしまうのではないかと心配される方は多くいます。それは、子どもが「自分がどう振る舞うべきか」を考える訓練がされていないためだと思います。先ほどの園のような、みんなで話し合う会議を続けていると、そのような振る舞いが結果として身についていきます。小学校の授業も同じです。自分にどういうことが求められているか、自分で考えるようになれば、きちんと座ることができるようになります。

じっくり取り組むことができる子は、いろいろなことに興味を持てるようになる

大豆生田啓友さん回答:大豆生田啓友さん

じっくり取り組むことができる子どもは、ひとつのことにきちんと興味を持てるようになります。ひとつのことに興味を持ちはじめると、ほかのこともおもしろくなり、いろいろなことに興味を持てるようになります。


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