親子で楽しく食事をする方法(1)ママパパの気持ちの持ち方
子どもは成長と共に、さまざまな食材を食べられるようになります。でも、「ごはんを食べてくれなかったらどうしよう」と不安になることも。そこで、離乳食が終わりかけた子どもが楽しみながら食事をするようになる、とっておきの方法を紹介します。
今回は、ママパパの子どもとの食事に向き合う気持ちについて。気持ちを入れ過ぎるのもよくないことがあるのです。
講師: 大山牧子(神奈川県立こども医療センター 偏食外来担当医)
離乳食が終わって幼児食に移る時期、大切なのは?
ママパパが、子どもに「食べてもらわないといけない」という考えをやめることが大事です。
子どもにとって、はじめて見る食べものは「怖い」と感じることがあります。そんなときに「一口でいいから食べよう」「せっかく作ったのに」と強制するような言葉かけは、逆効果になります。
子どもは、ママパパの言葉に敏感に反応するため、ストレスを感じて泣いたり、注目を浴びたくて騒いだりすることがあります。
子どもが食べないとき、どうすればいい?
子どもの表情がかたい、嫌がるのであれば、思い切ってあげるのをやめてみましょう。
強制をやめたら、食卓が楽しいと思うような雰囲気を作っていきます。子どもが食べることに興味を持つためには、まず親が一緒に食事を楽しむことです。
「カミカミ」「サクサク」など、食感を分かりやすい擬音語で言ってみるのもいいですね。
ママパパの「食べることは楽しいんだよ」という気持ちは子どもに伝わります。
口に入れたものを出してしまったとき
1度口に入れても、大きすぎたり、思った味と違ったりすると、出してしまうことがありますが、叱らないようにしましょう。この時期は、まだ食べることの練習段階です。
ボールなどを用意して、「食べにくいなら吐き出していいんだよ」といった環境を作るといいでしょう
親子の食事を楽しむための接し方
親子の食事を楽しむために、子どもとの接し方は、次の4つが重要です。これらはママパパの気持ちに余裕のあるときにやってみてください。
1.好ましくない行動は注目しない
子どもが食事中に立ち上がる、泣く、さわぐなど、好ましくない行動をとった場合、子どもの相手をすると「認められた」と誤解してしまいます。親が顔を背け視線を合わせないようにし、好ましくない行動が収まるまで注目しないでおきましょう。
2.好ましい行動をほめる
食べることに興味を示したら、子どものそばで視線をあわせ、ほんの少しでもできているところを褒めてあげましょう。
3.具体的な指示をする
「よくかんで食べようね」「座って食べようね」など、食事のときに何をしたらよいかの具体的な指示をします。子どもが理解できるよう、静かにゆっくり1度だけ言うようにしましょう。
4.やる気を引き出す
「こっちとこっち、どっちを食べようか?」など、自分で選択できる声かけや、「〇〇したら〇〇できるよ」など、気持ちの準備ができる声かけをするとよいでしょう。
これらの接し方は、ママパパだけではなく、家族みんなで対応すると効果的です。
「食べてほしい」「食べさせよう」と思い過ぎると、食事が楽しくなくなってしまいます。子どもへの接し方を少し変えてみましょう。1日1回でもいいからぜひやってみてくださいね。
楽しく食事ができることは、子どもがなんでもおいしく食べられることにつながっていきます。
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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