授乳の悩みとギモン(3)痛みや不快感

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2023/10/30

出典:まいにちスクスク[放送日]2023/10/29[再放送]2023/11/01

赤ちゃんが生まれると、ママやパパはお世話で大忙し。中でも頭を悩ませるのが「授乳」です。母乳やミルクのさまざまな悩みや疑問について、岩佐寛子さん、笠井靖代さんに教えていただきます。
今回のテーマは、「痛みや不快感」です。

講師:
岩佐寛子(助産師)
大切なのはひとりで抱え込まないこと。専門家のサポートを受けながら、自分たち親子にあった授乳方法を見つけてください。
専門家:
笠井靖代(日本赤十字社医療センター/産婦人科医)

乳房が痛い… これって乳腺炎?

今、2人目の子どもを母乳育児していますが、1人目のときにトラブルがありました。乳房が張って、かたくなり、子どもが飲まなくなったんです。おかしいと思って電話で相談したら、乳腺炎の寸前でした。しこりができたり、乳房が痛む乳腺炎は、どうしたら防げるのでしょうか?

含ませ方を見直す。飲ませやすいようにほぐす

回答:岩佐寛子さん

まずは、含ませ方がうまくできているか見直してください。また、乳輪・乳頭がかたいまま授乳されている方もいます。その場合は、飲ませやすいようにほぐすと楽になることもあります。

乳房に違和感を覚えたら、授乳姿勢や含ませ方を早めに見直し、乳輪や乳頭のマッサージをしてみましょう。

授乳前に、乳輪や乳頭をマッサージすることで柔らかくなり、赤ちゃんが飲みやすくなります。

また、授乳後に、乳頭に塗ってもよいクリームで保湿ケアするようにしましょう。

痛みがある場合は、ぬらしたタオルなどで、じんわり冷たさを感じる程度に冷やしてください。
※痛みや発熱があるときは、産婦人科や乳腺クリニックを受診するようにしてください。

授乳のとき、なぜか嫌な気分になってしまう

授乳のときに、全身に鳥肌が立つような、何とも言えない不快感に苦しんでいます。なぜか、気持ちが悪く、イライラして、嫌な気分になります。
(女の子2歳1か月のママ)

こういった症状はなぜ起きるのでしょうか? 笠井靖代さんに伺いました。

不快性射乳反射といわれる現象

回答:笠井靖代さん

「不快性射乳反射」といわれている現象です。気分が悪くなる、イライラする、気分が落ち込むといった症状があります。突然起こって、5分程度の短時間でおさまります。
この「不快性射乳反射」は、2008年に最初の報告があったばかりで、まだ原因などわかっていないことも多いのです。母乳が分泌されるときに、ドーパミンというホルモンが一時的に低下しますが、それが影響しているのではないかと考えられています。いわゆる「産後うつ」とは違います。お母さんが悪いわけではありません。

不快性射乳反射は、不快感があっても長く続かないのが特徴です。授乳での痛みや不快感など、気になることがあったら、迷わず専門家に相談してください。


まいにちスクスク「授乳の悩みとギモン」の番組記事

まいにちスクスク
 
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