赤ちゃんからの防犯教室(1)あぶない場所と人
子どもを狙った犯罪などの危険から自分を守る力は、小さいうちから育てられるのでしょうか。安全教育の専門家、清永奈穂さんに防犯の基本を教わります。
講師: 清永奈穂(NPO法人 体験型安全教育支援機構 代表理事)
自分を守るための体と心
「危ない」とは具体的にどんなことなのか、親子で理解し、見て・感じる力を育てることが大事です。小学校に上がり、ひとりで歩くようになる6歳ごろまでに、子どもが自分自身を守る力の基礎を身につけることを目標にしましょう。
赤ちゃんのころは、身近な大人に頼る時期です。この時期に、安心できる人と場所があると感じられることが大事になります。だっこやお風呂、おもちゃで遊ぶなどのふれあいも安全教育になるのです。ふだんの「はいはい」や「あんよ」、ふれあい遊びや絵本の読み聞かせなども、自分を守るための体と心を育てることに役立ちます。
“あんぜんおさんぽ”で地域デビュー
安全教育の第一歩は、地域を知るための散歩です。ポイントは、子どもにとって安全な場所・危なそうな場所を確認しておくことです。いつも見守ってくれるような店舗の方や交番などが安全な場所になります。
近所の人たちとあいさつをして、顔見知りになっておくとよいでしょう。大人があいさつすれば、子どももあいさつするようになります。
小さいうちから地域デビューしておくと、小学校で登下校するようになっても見守ってもらえます。
「あやしい場所」ってどんなところ?
あやしい場所は、「ひ・ま・わ・り」で覚えましょう。
「ひ」は、ひとりだけになるところ。多くの犯罪は、子どもがひとりでいるときに起きています。友だちと別れたあとや、公園や店舗のトイレなどは注意が必要です。
「ま」は、まわりから見えない、見えにくいところ。犯罪者は人の目を気にする傾向があります。
「わ」は、わかれ道、わき道、うら道の多いところ。犯罪者が逃げやすい抜け道があるところは注意します。
「り」は、利用されていない公園など、人がいないところ。荒れた駐車場や空き家も注意しましょう。誰も使ってないような公園にひとりでいると、犯罪者にとって悪いことがしやすく、好都合と思われるかもしれません。
親子で、そのような場所が通学路や近所にないか確認しておきましょう。もしも通らなくてはならない場合は、子どもに気をつけるよう教えてください。
「あやしい人」ってどんな人?
危険をおよぼすかもしれない、あやしい人に気づくことも大事です。あやしい人は「は・ち・み・つ・じま・ん」で覚えましょう。
「は」は、話しかけてくる人。知らない人や知っている人でも、しつこく何かと話かけてくる人には注意してください。
「ち」は、理由もないのに近づいてくる人。不自然にぐんぐん近づいてくる人は、警戒しましょう。
「み」は、あなたが来るのを道の端などで見つめてくる人。不審者は狙った相手をじっと見る傾向があります。
「つ」は、いつでも、どこまでも、いつまでもついてくる人。誰かがしつこくついてくる場合は、危ないことが起こるサインのひとつです。
「じま」は、あなたが来るのをじっと待っている人。例えば、自動販売機や電柱、茂みなどの影で子どもが来るのをじっと待っています。
最後の「ん」は、あやしい人に会ったら「ん?」と注意することです。
ただ、すべての人があやしいわけではありません。子どもたちのまわりには、やさしく見守ってくれる人もたくさんいることを教えます。そのうえで、「危ない目にあわせようとするあやしい人がいるかもしれない」と伝えましょう。
清永奈穂さん 「安全な場所」や「信じられる人はたくさんいる」と知っておくことが大事です。ひとり歩きに備えて、地域に見守ってもらえる味方をつくっておきましょう。
まいにちスクスク「赤ちゃんからの防犯教室」の番組記事
- (1)あぶない場所と人
- (2)歩くときに気をつけること
- (3)いざというときの対処
Eテレの育児情報番組「まいにちスクスク」でこれまでに放送した内容はこちら
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