赤ちゃんの急な発熱に備えよう!慌てず対応するための心構えと予備知識

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hatsunetsu

赤ちゃんが熱を出したら、どう対応するのがよいでしょうか。

夜中でも救急病院にいくべき? 解熱剤はどうやって使うの? 熱性けいれんを起こしたら?

あわててしまうその前に、基本的な対処方法を確認しておきましょう。育児情報番組「まいにちスクスク」で紹介された情報をまとめてご紹介します。


発熱の主な原因は?

子どもの発熱は、たいてい感染症が原因です。感染症になると、細菌やウイルスと戦うために免疫反応が起こります。免疫反応の過程の中で熱が出ます。発熱そのものは「正常な反応」なのです。

子どもの熱の経過を知る

一般的には、子どもの発熱は1~2日目が高く、3~4日目になると下がってきます。
1日で下がることもありますが、2~3日目の夕方になると上がると考えていたほうが、心の準備ができて慌てずにすみます。

<一般的な子どもの熱の経過>

※一般的な例のため発熱の状況により、同じ経過をたどらないことがあります


病院に行く目安は?

38度以上の熱がある場合、緊急度は月齢によって変わります。

生後3か月ぐらいまでは、38度以上の熱が出たら、急いで病院に行ってください。熱だけではなく、機嫌はどうか、食欲はあるかなども大事なポイントです。

特に、生後1か月未満は、夜間で救急外来しかないような場合でも、早めに、24時間以内には受診してください。何かの処置をするというより、まずは小児科医に診てもらうことが大切です。

<発熱(38度以上)時の緊急度の目安>

0~3か月:機嫌がよくミルクが飲めていても、24時間以内に受診しましょう。
4~5か月:機嫌がよく食欲があるなら、急ぐ必要はありません。夜間の場合、翌日には受診しましょう。
6か月以降:機嫌や食欲に問題なければ、あわてて受診せずふだんとどう違うか様子を見ましょう。

<3か月以上の子の発熱(38度以上)時の緊急度の目安>

・食欲がなく、食事や水分がとれない
・下痢、おう吐、せきなどの症状が激しい
・何をやっても機嫌が悪い 好きなものに反応しない
・視線が合わない
・ぐったりしている
・けいれんがある
・呼吸がおかしい

熱が出て1日目だと発熱以外の症状がなく、お医者さんにとっては正確な診断への手がかりがありません。2~3日目になると、おおよそどのような病気なのかがわかってきます。ですので、特に初日は、発熱以外の症状がなければ少し様子をみてもよいと思います。
とはいえ、初日でも心配であれば遠慮なく病院に行ってください。そのとき私たち医者ができることは、家でどのように経過を見ればよいかなどのアドバイスになります。3~4日目も安心してみてくださいなどと伝えるのも私たちの大事な仕事です。
高熱が2~3日続いたり、熱がだんだん上がっている場合は、そのタイミングで受診してください。医者もいろいろなことがわかりますし、必要であれば検査も行います。

(小児科開業医:山本淳さん)

解熱剤の使い方

発熱で病院に行くと、多くの場合解熱剤を処方されます。解熱剤を使うタイミングが、ポイントになりますので確認しておきましょう。

<解熱剤使用の目安>

・体温が38.5度以上の発熱の場合
(ただし、子どもが元気で食欲がある場合は必ずしも解熱剤は必要ありません。)
・熱がつらくて眠れない場合
・水分や食事がとれない場合

<解熱剤の効果>

解熱剤は、熱を下げて体を楽にするためのものであり、病気を治す薬ではありません。
一時的に体温を下げることで体を楽にし、その間に寝たり、食べたりといったようなことをできるようにするためのものです。

子どもの熱は夕方から夜にかけて上がる傾向があります。上がりきったところで解熱剤を1回使うとよいと思います。
解熱剤により少し元気が戻ったところで、お風呂に入れたり、ご飯をあげたり、子どもらしく楽しく遊ばせたりしてから、寝かしつけてあげる。そうすることで生活のリズムが整います。食べることや眠ることで体力もつき、回復力も強くなります。このように、生活を整えるために、タイミングを見て解熱剤を上手に使ってみましょう。

(東京女子医科大学看護学部長:日沼千尋さん)

発熱時のホームケア

熱が出たときのホームケアを確認しておきましょう。

<熱の出はじめ、熱が上がっているとき>

手足が冷たく悪寒がしているうちは毛布などで温めます。

<熱が上がりきったら>

室温を少し下げ、薄着にして体を冷やします。脇の下、首、足の付け根を冷やすと効果的です。
水分補給も大事です。脱水症状にならないよう、水、お茶、赤ちゃん用イオン飲料などを、少しずつあげましょう。


熱性けいれんを起こしたら

子どもは、急激に熱が上がると「熱性けいれん」を起こすことがあります。
日本では、熱性けいれんが起きる確率は8%くらいです。遺伝的要素が大きいといわれています。
けいれんが起きたら、次のように対処しましょう。

<けいれんの対処法>

・まず、服をゆるめて、顔を横向きにして、静かに寝かせる
・けいれんが何分続いているか、時間を計る
・体のどの部分から始まったか、左右の差はあるかなど、よく観察する
・口にものを入れない、体をさすったりゆすらない
・落ち着いたら体温を測る
・5~10分以上続く場合は、救急車を
※動画を撮影しておくと診察のときに役立ちます

けいれんを起こしたときの対処法を、ふだんからシミュレーションしておくと安心です。


▼詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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