突然起きるかんしゃく、どう対応したらいい?

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2025/04/26

出典:すくすく子育て[放送日]2025/04/26[再放送]2025/05/01

長男(5歳5か月)のかんしゃくにずっと悩んできました。例えば、お出かけのあと、もっと遊びたかったと突然怒りはじめ、一人で気持ちを落ち着かせるように促すとかえってヒートアップします。特にかんしゃくが起きやすいのは朝。なかなか着替えようとせず、少しきつめに声をかけると、急に怒りはじめます。
私は、常に「約束や時間は守らないとダメ、誰からも信じてもらえなくなる」と教えています。それを乱してしまうことを覚えて「大丈夫、何とかなるじゃん」となるのも嫌で、結構うるさく言ってしまいます。
でも、ふだんは自分からすすんで部屋を片づけるなど、物わかりがよく責任感の強い頑張り屋です。保育園でも落ち着いて過ごしているようです。なぜ突然かんしゃくを起こすのか悩んでしまいます。
(お子さん3人のママ)

完璧にきちんとやりたい特性で、想定外のことが起きてかんしゃくに

回答:星山麻木さん

お子さんはとても頑張り屋で、一生懸命で、どちらかというと完璧にやりたい特性なのでしょう。きちんとやりたい気持ちが強く、想定外のことが起きるといっぱいいっぱいになって、まだうまく言葉で伝えることもできず、かんしゃくを起こすこともあるように思います。

危険を防ぎながらうまく気持ちを発散できるサポートを

回答:星山麻木さん

かんしゃくを起こすと、大人はすぐに止めようとしますが、むしろ危険を防ぎながら発散できる空間を作るようなサポートがよいと思います。例えば、投げても大丈夫なクッションにしておくなど、危険なものをあらかじめ取り除いておく配慮が必要かもしれません。

十分に甘えられる時間、ひとりで落ち着けるスペースを

回答:星山麻木さん

お子さんの場合は、ママを見ながら怒っている様子が見られます。「ママ見て!」「ぼく頑張ってるんだけど、もういっぱいいっぱい」ということが、うまく言えないかんしゃくも含まれているかもしれません。お子さんが親に十分に甘えられる、2人だけの時間があるとよいかもしれません。
また、きょうだいがいると、どうしても共有スペースが多くなります。お子さんのように頑張り屋の子は、その分疲れるので、例えばソファーの下のような少し隠れられる場所など、ひとりで落ち着けるスペースがあると、自分で気持ちを落ち着けられるかもしれません。

娘(4歳9か月)は、幼稚園に入ったころから思い通りにならないと泣き叫ぶようになりました。我慢できなくなると部屋へ閉じこもり、なだめてもなかなか出てきません。弟が遊びの途中で割り込んできて、腹を立てることもしばしばです。
絵、歌、ピアノなど、表現することが大好きで、エネルギーがいっぱいで、得意なことや好きなことを伸ばしてほしいし、気持ちを尊重したい。やりたいことは自由にさせてあげたいけど、甘やかし過ぎかもしれないと悩んでいます。
(お子さん4歳9か月・1歳11か月のママ)
星山麻木さん

お子さんはエネルギーがいっぱいで、やりたいことがたくさんあふれて、しかも全部やらないと気が済まないタイプのようですね。


―― 突然泣き叫んだり、きょうだいに乱暴したりしたときは、どう対応すればいいですか?

子どもが遊びに集中できるようにスペースを分ける

回答:星山麻木さん

親はどうしても下の子に関心がいきがちです。年齢的にひとりで集中して遊びたいこともあると思うので、遊びに集中できるようにスペースを分けてあげるといいでしょう。


―― 同じような「かんしゃく」の悩みでも、親の受け止め方は「注意しがち」「自由にさせる」などの違いがありました。これは、どう考えたらいいのでしょう?

親にも特性の違いがある

回答:星山麻木さん

ママ・パパ、大人にも、誰にでも特性の違いはあります。子どもだけではなく自身の特性を知ると、より客観的になって、人によって受け取り方が違うことが分かり、ヒントが多いかもしれません。

「虹の七色」のタイプ分け

ここで、特性を理解するために星山さんが提案している「虹の七色」のタイプ分けを紹介します。

「レッド」は何でもいちばん、正義の味方。完璧主義で頑張り屋。予定の変更が苦手で、思い通りにならないとイライラするタイプです。予定は必ず、先に伝えてあげましょう。

「オレンジ」は心優しいあわてんぼう。空想好きで、人を喜ばせたい。整理整頓が苦手で、忘れ物が多いタイプです。忘れないための工夫をしましょう。

「イエロー」はすばやく動く人情家。好奇心旺盛で、みんなと盛り上がりたい。じっとしていられなくて、待つのが苦手なタイプです。自然の中で、体をたくさん動かしましょう。

「グリーン」は繊細なきちんとさん。真面目で集中力があり、感覚が敏感。SOSを出すのが苦手なタイプです。事前に練習できると、安心しますよ。

「アクア」は孤高の天才。記憶力バツグンで、アートなど特別な才能の持ち主。大勢や、気持ちを伝えるのが苦手なタイプで、ひとりになれる静かな場所が必要です。

「ブルー」はゆっくりのおおらかさん。優しくて、おだやか。てきぱき動いたり、うまく話したりするのは苦手なタイプです。優しさで活躍できる場を作ってあげましょう。

「パープル」は甘えん坊のさみしがりや。自分の気持ちに素直で、甘え上手。大事にされないと不安で、人を傷つけることもあるタイプです。しっかり話を聞いてあげましょう。

この虹色の特性を、さまざまな濃さ、組み合わせで、誰もが持っています。

自分のことを、虹色の特性の色や濃淡、組み合わせで理解できると、子どもや友だち、パートナーのことも、人間理解が深まります。

丸山桂里奈さん(MC)

いろいろな種類・色があって、自分の中にもちょっとずつあるから、自分にも人にもいいと思いました。
りんたろー。さん(MC)

お互いを理解するためにもいいですね。

親と子どもの特性を「虹の七色」で考える

かんしゃくについて相談してくれたご家族に、お子さんと自分の特性を色分けしてもらいました。

5歳5か月、男の子のご家族

お子さんは「完璧が好き」のレッドタイプと「活発な」イエローが優勢。ママはレッドに加えて「繊細なきちんとさん」のグリーンが多めでした。

4歳9か月、女の子のご家族

お子さんはレッド、イエロー、「想像力豊か」なオレンジも。ママは、全ての色の特性がそれぞれ同じくらいあると感じているそうです。

星山麻木さん

自分とお子さんの色が同じところは、共感しやすいけれど衝突もしやすい。色が違うところは「私にはない色だな」「だからこんなふうに感じるんだ」と理解できたりします。似ているところも違うところも、親子の相性として尊重し合えれば、うまくつきあえると思います。

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