虐待を受けて育ったけど、子どもに連鎖させたくない…

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2023/11/04

出典:すくすく子育て[放送日]2023/11/04[再放送]2023/11/09

私自身が虐待を受けて育ち、子どもに連鎖させないと決意して子育てをしています。自分の存在をありのままを肯定的に受け止めてくれる大人がいる。そんなメッセージを伝えられる子育てがしたいです。
でも、子どもの理不尽なわがまま、かんしゃくを受け止めるのが無性に苦しいときがあります。私が親から愛情をもらっておらず、枯渇状態で子どもに与えなくてはならないからかもしれません。私はどうしたらいいのでしょうか。
(お子さん6歳・4歳のママ)

虐待の連鎖は一面の真実でしかない

回答:大日向雅美さん

「子ども時代に虐待を受けると、親になったときに虐待を繰り返す。だから、虐待はやめましょう」と言われることがあります。これは、二重に親を苦しめる言葉だと思います。
虐待を受け、親から愛されなかった人たちの大半は、なんとかして同じ苦しみをわが子に味わわせないように、懸命に努力していることがほとんどだといいます。そのような親は事件を起こさないので、あまり知られることはありません。一方で、残念ながら虐待してしまった親が、子どものころに虐待を受けていたことがわかると、「だから繰り返す」とされてしまいます。でも、その割合は少なく、一面の真実でしかありません。
虐待を受けた方に、「あなたはどうして立ち直れたんですか?」と聞くと、「見守ってくれる、支えてくれる、大丈夫だよと言ってくれる、そんな人が1人でも身近にいることで、なんとか乗り越えようとしている」といいます。
私は、世代間連鎖という言葉を安易に使いたくないと思っています。育児でイライラするという悩みは、すくすくファミリーのみなさんも同じことを言っています。その原因を、虐待を受けた子ども時代に求めるのか、1人で育児するという不自然な状況に求めるのかで、変わってくると思います。不自然さであれば、「今の状況がおかしい」「みんなで支え合おう」と考えるわけです。

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