「大人になりたくない」と言われたら、どう答えたらいい?

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2023/06/29

出典:すくすく子育て[放送日]2023/06/29

娘が5歳になったころ、急に「死にたくないから、大人になりたくない」と言って泣き出しました。それからも「年長さんにもなりたくないし、小学生にもなりたくない」「大人になっても働かないで、ママと一緒にこの家にいる」「赤ちゃんも産みたくない」と言っています。とりあえず「産まなくていいよ」「結婚しなくてもいいよ」と、気持ちを受け入れるように言っていますが、娘が何を思っているのかわからず、どう答えたらいいのか対応に困っています。
(お子さん5歳9か月のママ)

4歳ごろになると人の命には限りがあるとわかる

回答:柴田愛子さん

4歳ごろになると、人の命には限りがあるとわかりはじめます。いつか自分が死ぬという不安を、たった4歳ごろから持ち続けるわけです。でも、気持ちにはブームというものがあります。怖くて眠れなくなるほどはまる時期もあれば、不思議なことに薄れる時期もきます。
以前、4歳の子が、突然「今日から園をやめます」と言ったことがありました。話を聞くと「私が園にいる間にママが死んだら困るから家にいます」と言うわけです。その子は、ママが病気になって点滴を打っている姿を見たようなのです。その後、「ママが一緒なら園に来たい」というので、2か月ほど一緒に来てもらっていました。そのように、死ぬことに対して不安感を持つようになるのは、4~5歳からだと思います。

自分の未来に不安が出てくる

回答:坂上裕子さん

子どもは、生まれたときからしばらくは「今」を生きています。3~4歳ぐらいになると、赤ちゃんのときの自分の写真や映像を見て、「これは自分だ」とわかるようになります。自分に過去があると認識するようになるのです。ただ、過去が今の自分につながっていることはわかりやすくても、未来の自分は想像しにくいものです。未来の自分を自分ごととして捉えると、不安になってしまいます。

時間の感覚がわかってくると不安もなくなっていく

回答:坂上裕子さん

6歳ぐらいになると、1~2時間、半年、1年ぐらいの時間の長さの感覚がわかってきます。すると、「点」で見ていた未来の自分が、今の自分とつながってきます。すると、不安感がだんだんとなくなっていきます。
とはいえ、大人でも未来の自分を考えると不安になりますよね。子どもがそのような思いを持つのは、当然のことだと思います。


―― 子どもが「死にたくない」と言い出したとき、親はどう対応すればいいでしょうか?

明るい気持ちになれるような声かけを

回答:柴田愛子さん

死んでしまうことへの不安は、闇のように深いですよね。子どもに「死にたくない」と言われたら、「本当だよね、怖い気がするよね」「でもさ、天国や極楽があるという話があるよ」と話してみるのはどうでしょうか。
「私もわからないけど、どうだったらいいと思う?」「絶体絶命の恐ろしいことではなくて、嫌なことばかりじゃないのかもよ」と言ってみる。「おばあちゃんは亡くなったけど、おばあちゃんの話、私はいっぱい知ってるよ。だから、私の心にはずっといる気がする」。そのように、少し心に火を灯して、明るい気持ちになれるような声かけがいいと思います。

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