つらい「夜泣き」はこれで乗り切る!パパにもできる対処法も紹介!

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多くのママやパパを悩ませ、疲労困憊させる赤ちゃんの「夜泣き」。一時的なものとはいえ、毎晩続くと睡眠不足で体調を崩したり、精神的に追い詰められてしまうこともあるので深刻な課題です。

今回は、ママやパパたちの負担を少しでも減らすべく、これまでの「すくすく子育て」の専門家のアドバイスから、つらい夜泣きの原因や対策をご紹介します。


8割以上のママ&パパが体験する「夜泣き」って何?

夜泣きは6か月以降の赤ちゃんによく見られ、一般的に、ピークは7~9か月、ほぼ2歳までには終わるものとされています。大抵の赤ちゃんは、4か月を超えると夜にまとめて寝るようになりますが、寝ている時間に急に覚醒して泣き出すのが夜泣きの特徴です。

泣き方はさまざまで、グズグズ泣く赤ちゃんもいれば、火がついたように大泣きする赤ちゃんもいます。また、一度泣き出すとなかなか寝付いてくれません。また、夜泣きが続く期間や時間帯もそれぞれです。


赤ちゃんの泣き声のよくできた仕組み

赤ちゃんが泣く理由は、大人が想像できるものから原因不明なものまでさまざまあるようです。
どちらにしろ泣き声は大人にとって正直、うるさいものですよね。しかし、赤ちゃんの泣き声はわざわざうるさく聞こえるようにできているのだともいわれています。

例えば、もしも赤ちゃんの泣き声が子守唄のように心地よいものならば、親は赤ちゃんに注意を向けず、その子は死んでしまうかもしれません。
「うるさい」「泣き止ませたい」と思うからこそ、親は赤ちゃんに近づき、いろいろ手を尽くして、結果的にお世話することになるわけです。
親が泣き声をうるさいと思ったり、不快だと思うのは、人間の進化の過程で組み込まれた、よくできた仕組み。

パパやママは、泣き声を聞くとイライラしたり、不安な気持ちを駆り立てられて当然だし、元来そういうふうにできているのです。
訳も分からず赤ちゃんに泣かれると、パパやママはおろおろして、何がいけなかったんだろうか?どこか痛いんだろうか?と精神的にも肉体的にもヘトヘトになってしまいます。
しかし、泣きの中には原因不明のものもあり、それは進化の過程の中で出現してきた「生き抜いていくための仕組み」だと知れば、「気長につき合ってあげようかな」とゆったり構えることもできるのではないでしょうか。


夜泣きの赤ちゃんを泣き止ませる対処法

夜泣きに有効とされる対処法をご紹介します。
どれがみなさんのお子さんに一番合うのか、いろいろ試してみてください。

泣き止ませ作戦1「抱っこ」

赤ちゃんは「抱っこ」されると、安心して気持ちよくなります。
ただ普通の抱っこだけでなく、ママが仰向けに寝て胸の上に赤ちゃんをうつ伏せに寝かせる「カンガルー抱っこ」や、上下に揺らす「スクワット抱っこ」、おんぶ、スリングでの「横抱き」など、そのお子さんによって好みはさまざまなようです。

 

泣き止ませ作戦2「おっぱい・ミルク」

おっぱいやミルクを与えると、すぐに泣き止むという赤ちゃんも多いようです。
ただ、こちらも抱っこをしながらおっぱいをあげないとダメ、寝ながらの添い乳がいいなど、やはり流儀はさまざま。一方、おしゃぶりなどで泣き止むお子さんもいるそうです。

 

泣き止ませ作戦3「目を覚まさせる」

電気をつけて明るくし、一度完全に目を覚ましてあげるのも、効果的な夜泣き対処法と言われています。
しかし目が覚めてしまうと、また寝かしつけるまでに時間がかかるというデメリットもありますが、ずっと泣き続けられるよりはマシという意見も。納得です。

 

泣き止ませ作戦4「音をきかせる」

テレビの放送終了後に流れる「ザーッ」という、いわゆる「砂嵐」の音。
このホワイトノイズと言われる雑音は、赤ちゃんを安心させて泣き止ませる不思議な力があるとか。
他にも、スーパーの袋をくしゃくしゃにする時の音や、換気扇の回る音など、意外なものが赤ちゃんを泣きやませるのに効果を発揮。
お腹の中にいた時に聞こえる音に近いから?という推測もありますが、理由はよく分かっていません。

 

泣き止ませ作戦5「他のことで気をそらせる」

赤ちゃんは、自分の顔にものすごく反応することが分かっています。
赤ちゃん自身の写真を見せる、鏡に自分の顔を映して見せてあげるなど、赤ちゃんが興味をもちそうなことで気をそらせ泣くことを忘れさせる、という意見も多くありました。
おもちゃで遊ぶ、というのも気をそらすいい作戦ですね。

 


夜泣き対策チェックシート

先ほどは5つの対処法をご紹介しましたが、それでもなかなか止まない夜泣き。
もしかしたら赤ちゃんたちには何かの理由があるのかもしれません。
以下を参考に、赤ちゃんの状態をひとつひとつチェックしてみてください。

□ おなかは空いていませんか?喉は乾いていませんか?
□ おむつは汚れていませんか?
□ 布団の掛けすぎなど、暑さを感じる環境ではありませんか?
□ 寒さを感じていませんか?
□ 布団や下着、寝具などがチクチクしたり、不快な状態ではありませんか?
□ 周囲の音は、赤ちゃんにとってうるさくありませんか?
□ 熱や顔色の様子はいかがですか?泣き方が普段と違っていたら病気ということも考えられます。

 
今回ご紹介した対処法以外にも、昼間にできる夜泣き予防対策の方法として「ベビーマッサージ」や「タッチケア」を取り入れてみるのも良いかもしれません。血流が良くなって、夜泣きが緩和される場合もあるそうです。
いずれにせよ、赤ちゃんにとっては体を触ってもらうことが気持ちよくて嬉しいこと。夜泣きの有無に関わらず、どんどんスキンシップをはかってみましょう。


夜泣きの心得

夜泣きの悩みがあると、そのことばかり気になってしまいますよね。「夜泣きの心得」を知っておくだけで、少し気持ちが楽になるかもしれません。赤ちゃん学の第一人者である榊原洋一先生からの、夜泣きと格闘するママたちへのメッセージです。

夜泣きの心得その1「夜泣きは心配いりません」

「夜泣きはすごく激しく泣くので、どこか悪いんじゃないか?と心配になってしまうお母さんがいるみたいですが、そんなに心配することではありません。また、ずっと泣かせていると病気になるというのも、なんの根拠もない話です。現に海外では、”夜泣いていても、30分~1時間泣かせておけば泣き止むので放っておきましょう” というふうに書いてある育児書もあるくらいですよ。極端な話、お母さんが夜泣きに気づかずに寝てしまっていても、まったく平気なんです。」

 

夜泣きの心得その2「いろんな方法を試してみよう」

「夜泣きの原因は分かっていませんが、泣きやませるための方法は“抱っこ”や“ドライブ”など、いろいろ分かっています。その子によって好みの方法は違うし、お母さんがいいと思うやり方もそれぞれ違います。お互いに平和になれる方法を探して、大変ですがいろいろ試してみるといいと思います。身体に穏やかに効く漢方薬などを飲むというのも、ひとつのやり方なので、いいと思いますよ。」

 

夜泣きの心得その3「ママ1人で悩まない」

「日本の虐待の9割は、母親の手によるものというデータがあります。虐待を避けるには、子どもと母親2人だけの密室にならないこと、母親だけで子育てしないことです。夜泣きの大変さは、最低限でもお父さんとは共有していいんじゃないでしょうか。いろんな家族のかたちがあるとは思いますが、1人でがんばってがんばってノイローゼのようになるくらいだったら、ダンナさんに半分請け負ってもらったほうがいいですよ。お母さん1人で悩まないようにしましょう。」
家の中に、パパとママ、赤ちゃんの3人しかいないのだったら、パパに助けてもらうしか方法はないですよね。いつでもヘルプができるような夫婦間の関係性を築いておくことも、家族の平和のためには必要なようです。また、育児に苦しくなったら、いろんな相談機関などを探してみてもいいでしょう。がんばりすぎないことが大事です。

 

夜泣きの心得その4「止まらない夜泣きはない」

「夜泣きは必ずいずれ終わります。夜泣きがすぐに収まる子もいれば、なかなか収まらない子もいるけれど、どんな子でもいずれは収まって静かに眠るようになります。明けない夜がないように、止まない夜泣きはないんです」。
渦中の時は、とてもそんなふうには思えないけれど、過ぎてしまえば、夜泣きも懐かしい子育ての思い出。「今だけのこと」と割り切って、リラックスして育児できればいいですね。「この子、夜泣きが本当にヒドかったのよ…」と笑って話せる日は、もう、すぐそこまで来ていますよ!

 

榊原洋一(さかきはら よういち)先生
お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター教授
1951年生まれ。小児科医。専門は、小児科学、小児神経学、発達神経学、国際医療協力、育児学など。著書、訳書、監修書多数。

パパにもできること

赤ちゃんの夜泣きが始まる時期は、まだママじゃないと対処できないとママ1人でがんばってしまいがちですが、パパにもできることがあるんです。ママにとってもパパにとってもつらい夜泣き、ぜひ夫婦で乗り越えてくださいね。

夜泣きはつらいですが親子の愛情を育むもの。パパも協力を!

子どもの夜泣きで夜中に何度も起こされたりすると、これが一生続くんじゃないかと追い詰められた気持ちになることもあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。子育て中のわずかな期間のことです。
夜泣きは親にとって本当につらいものですが、ぜひ夫婦で協力しながら乗り切ってください。パパは直接泣きやませることができなくても、ママに対してねぎらいの言葉をかけたり、いろいろな形でサポートしてあげることが、親子関係、夫婦関係にとってとても重要だと思います。

小崎恭弘(こざき やすひろ)先生
大阪教育大学 教育学部教員養成課程 家政教育講座 准教授
1968年生まれ。1991年西宮市市役所初の男性保母として保育の現場に携わる。家庭では男の子3人のパパで、それぞれ育児休暇を取得し育児を担う。NPO法人ファザーリング・ジャパン顧問を務め、多くの講演会や社会活動に参加。著書多数。

こちらのQ&A記事では、ママよりも力があるパパにぴったりの泣き止ませ方法をご紹介しています。

パパもできる「泣き止ませ方法」はある?

夜泣き対策、いかがでしたか?
我が子の場合、初めての遠出など刺激的な体験をした日やおすわりができるようになった頃に夜泣きがあったことを思い出しました。ほんの数日続くだけでも当時はつらく感じましたが、今振り返ると成長のためには避けて通れないものだったのかなとも思います。
夜泣きはいつか必ず終わりますが、つらいときは我慢せずに周りに助けを求めてくださいね。

文:むらさめ

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