産後の心と体(2)心の不調

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2021/01/26

出典:まいにちスクスク[放送日]2021/01/26[再放送]2021/02/02

出産と同時に始まる子育て。でも、ケアが必要なのは赤ちゃんだけではありません。産後のママの心と体は想像以上のダメージを受けています。
今回は、妊産婦のメンタルヘルスにくわしい竹内崇さんに、心の不調について教えてもらいました。

講師:
竹内崇(東京医科歯科大学医学部附属病院/精神科医)

産後、半数近くのママが心の不安定な状態を経験する

妊娠中、増加していた女性ホルモン(エストロゲン)は、出産後、急激に減少します。


出典:『Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 12th ed』を元に作成

エストロゲンは気持ちの安定にもつながるといわれ、この体の変化にともない心のバランスを崩すことがあります。その影響などによって、産後のママの半数近くは「マタニティブルーズ(気分の落ち込みや心の不安定な状態)」を経験するといわれています。

通常は、1〜2週間のうちに自然に消えていきますが、長引く場合は注意が必要です。気分の落ち込み、自然に涙が出てくる、眠れない、食事が進まないなど、いわゆる抑うつ症状が2週間以上続く場合は、産後うつの可能性があります。

産後のうつ状態

産後は、育児による劇的な環境の変化もあり、心のバランスを崩しやすく、うつ病や適応障害などのリスクが高まります。
次のような産後のうつ状態が続いたら注意が必要です。

□ わけもなく涙が出るなど、気持ちが落ち込む
□ 日常生活や趣味などへ興味関心・意欲がわかない
□ 子どもがかわいく思えない
□ 「母親失格」など自己を否定しがち
□ 眠れない・食欲がわかない など

心の不調を感じたら、出産した産科・助産院、地域の保健センター、子育て世代包括支援センター、心療内科などに相談しましょう。専門機関と連携しています。
相談は、本人ではなく家族でもかまいません。早めに連絡をとってください。

心の不調を経験したママの体験談
産後、初めての子育てで、睡眠不足も気にせず無理を重ねていました。次第に心と体の疲れがたまり、不意に「不安でしかたがない」というような状態になりました。ひとりにしないでほしい、誰かいないと心の置き所がない、そんな不思議な恐怖感です。心配した夫と一緒に心療内科を受診すると、「しばらく子育てを離れて心と体を休ませて」とアドバイスされました。
当時は自分で自分の心の不調に気づけなかったので、周りの人の見守りが大事だと感じています。本人が「大丈夫」と言っても、大丈夫ではないこともあります。「本当はどうなの?」のように突っ込んで話を聞いてもらえたらよかったなと思います。
(4歳 男の子のママより)

家族・周囲の気づきが非常に大事

産後のうつは、家族や周囲の気づきが非常に大事になります。いつもと様子が違う、ふだんできていたことができなくなっているなど、まわりの人が気づいて、身近な相談先に声をかけて、できることをやっていくことが大切です。


まいにちスクスク
 
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