【すくすくまとめ】親子でもっと楽しく!絵本の読み聞かせ

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2019/03/29

絵本の読み聞かせイメージ

子どもに絵本の読み聞かせをしてあげたいけれど、どうやって読んであげるのがいいの?子どもに絵本への関心を持ってもらうには?
読み聞かせのポイントを、育児情報番組「まいにちスクスク」でご紹介した内容からまとめました。

専門家
秋田 喜代美(東京大学 大学院教授[教育心理学])

読み聞かせるときの「読み方」のポイント

親は自分の読んでいる声が聞こえているか、意識してみてください。早く読むと、自分の読んでいる声はあまり意識しません。子どもに語りかけながら、余韻を楽しんで読めるといいですね。

読み聞かせるときの「姿勢や座り方」のポイント

読み聞かせるときは、ママのお膝にだっこというスタイルが多いですよね。読み聞かせるときの姿勢については、以下の点に注意しましょう。

(1)子どもと目線を合わせやすいか
絵本を見ている子どもの目線に合わせてあげましょう。
(2)子どもの反応がわかるか
子どもが絵本のどこに興味を示しているのか、体を動かしているのか、そういったことを肌で感じるスキンシップも大切です。
また、読み聞かせのときの姿勢はそれぞれが心地よい姿勢で大丈夫です。
まだお座りができない子どもの場合、クッションを使って落ち着く工夫をしてもいいですね。
それぞれのご家庭で、心地よい姿勢の読み聞かせスタイルを作ってみてください。

「図鑑が好き」な子どもへの読み聞かせ

子どもの中には、「物語よりも図鑑が好き」という子もいます。しかし、親にとって図鑑はどうやって子どもに読んだらいいのか悩ましいものです。
図鑑を使った読み聞かせでは、「図鑑に載っている物の名前を子どもに教える」ことが代表的な例です。
しかし、さらに「親子のやりとり」を生むことができる読み聞かせがあります。

<図鑑を読むときのポイント>
(1)子どもの経験とつなぐ
「〇〇くん、この間これ見たよね。」などのように子どもに声をかけ、親が子どもの経験や出来事と、図鑑をつなげてあげてください。
(2)色や形の違いを伝える
「これは黄色いけど、こっちは白いね」などのように子どもに話しながら、同じページの中で親子で一緒に楽しんであげてください。
また、乗り物図鑑を読む場合は、おもちゃの車を一緒に見ながら、図鑑の乗り物の共通点や違いを、親子で一緒に考えてみるという工夫もできますよ。

子どもが同じ絵本ばかり読みたがる場合

子どもが同じ絵本ばかりを読みたがるときは、ぜひ繰り返し読んであげてください。そして、繰り返し読むなかで、子どもの様子をよく見てあげましょう。
読むのが2回目3回目になると、「子どもはこの場面が聞きたくてもう1回読んでと言っているんだ」とわかったり、「こんなところに虫がいるんだ」と子どもが新たな発見をしたりします。
子どもが繰り返し読んでほしいのは、いろんな発見をすることを喜んでいるためだったり、ママやパパと楽しみたいというサインだったりしますよ。

きょうだいがいる場合の読み聞かせ

きょうだいがいる場合、親としては一緒に読み聞かせをしたいですが、うまくいかずに子どもがケンカをしてしまい、悩んでいるママもいます。

<きょうだいの読み聞かせのポイント>
(1)それぞれ好きな絵本を選ばせる
(2)読む順番は下の子から

きょうだい一緒に読み聞かせるとき、最初に大切なことは、子どもそれぞれに好きな絵本を選ばせてあげることです。絵本を選んだら、下の子が選んだ絵本を先に読みます。
そのときに、上の子に「○○くんも読んだよね」と声をかけながら、一緒に楽しんでください。そして次に、下の子を親と上の子の真ん中に入れて、上の子の絵本を一緒に読みます。

小さい子はじっとしていられないので、上の子の番のときには、下の子はクッションに座らせるなど、落ち着いて座れる工夫してあげましょう。

また、上の子や親が、絵本を指差してあげると、下の子が興味をひかれることもあります。絵本を全部読み通すことを一番の主眼とせず、それぞれ楽しむことが大切です。
とはいうものの、4~5歳は絵本を終わりまで楽しみたい時期です。ときには上の子と2人だけの時間もとってあげてくださいね。

読み聞かせQ&A

Q.絵本に関心がない子どもに関心をもたせるにはどうしたらいい?
(1歳3か月の男の子のママより)

[回答]
例えば、虫や車が好きな子どもに、いくら物語を読んでも興味を示さないということもあります。子どもが何に関心を持っているのかということを注意深く見て、関心に合うものを一緒に読んであげることが必要です。
アニメなどのキャラクターも、子どもが好きなのであれば、1つの絵本への入り口です。
今はなかなか絵本に関心を持たなくても、関心を持つ時期が来るのを待ってみましょう。幼稚園など集団生活に入り、友達と一緒に絵本を見合うようになると、「参加してみよう」と思うようになる子どももいます。焦ることはありません。

Q.外国語の絵本の読み聞かせは早すぎますか?
(2歳の女の子のママより)

[回答]
外国語の絵本を読む場合、「外国語を教えるために読む」「犬を見たらドッグと言いなさい」など、指導をするために使うのではなく、違う活用の仕方をしてみましょう。
例えば、絵本の中に出てくる動物の鳴き声に注目し、「犬の鳴き声は日本ではワンワンだけど、英語ではバウワウだね」「ネコの鳴き声もニャーニャーじゃなくてミューミューだね」という違いを楽しむことができます。
このように、音の響きや絵など、作品そのものを楽しみながら、外国語の本をうまく利用したり味わったりしてみてください。

Q.何歳まで読み聞かせしてあげればいいですか?
(5歳の男の子のママより)

[回答]
子どもが文字への興味を持ち始めるのは、4歳後半~5歳以降です。拾い読みをして知っている字を読んだり、読んでもらったのを覚えていて、たどりながら言うといったことをするようになります。しかしまだ、文字のほうに注意が行くと「お話の流れ」「図鑑のだいごみ」などを楽しむことができません。
そのため、やはり「お話の世界」「絵本の世界」を楽しむためには、親が読み聞かせをすることが必要です。せめて小学校の中学年くらいまでは、子どもと一緒に絵本を見る機会、読んであげる機会を作ってあげてください。


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