親子で絵本を楽しもう(2)1~2歳ごろの絵本の楽しみかた
絵本に親しんでほしいと思っても、子どもが興味を示さないことはありませんか? 絵本の選びかたや読みかたがわかれば、絵本の時間がもっと楽しくなりますよ。
今回は、1~2歳ごろの絵本の楽しみかたを紹介します。
講師: 代田知子(埼玉県三芳町立中央図書館 館長) 司書として30年以上活動。これまで読み聞かせの会などで多くの親子に絵本についてのアドバイスを行ってきた。
絵本の選びかた(1~2歳ごろ)
子どもによって個人差があるのであくまで目安ですが、この時期の子どもは、だんだん記憶することができるようになってきます。それまでは、絵本の絵と音をシンプルに楽しんでいた子どもも、次第に短いストーリーや繰り返し出てくるパターンなら覚えられるようになっていきます。
そんな時期には「繰り返しを上手に使った簡単な内容の絵本」がよいでしょう。絵本の中で「繰り返し」に出会うと、子どもは次の展開を予測することができます。そして、ページをめくった後、「あ、やっぱりそうだった!」と自分の予測が当たったことを確認してうれしくなります。
「繰り返し」が楽しい絵本
『だれかしら』
この絵本では、いろいろなお友だちが誕生日のお祝いに来てくれます。
次々と来るお友だちが誰なのか、ドアの窓からのぞく姿から当てっこしてみましょう。繰り返しに気づいた子どもたちは、次は誰が来るのか期待して盛りあがります。
『どんどこ ももんちゃん』
音の繰り返しが楽しい絵本です。
おむつをしてひたすら走る“ももんちゃん”。「どんどこ どんどこ、どんどこ どんどこ」急いでどこかに向かっています。「どんどこ どんどこ」という音を繰り返し聞くうちに、子どもの体が勝手に動き出します。
『ぴょーん』
「とぶ」ことをシンプルに繰り返す絵本です。
ページをめくると、次々にいろんな昆虫や動物がジャンプします。子どもは「次はどんな動物が、どんな格好でとび上がるのかな?」と期待をふくらませます。
絵本の読みかた・楽しみかた
繰り返し出てくることばは、その絵本のアクセントになっているので、大切に読み聞かせましょう。例えば、『ぴょーん』で動物がジャンプするときに使われている「ぴょーん」ということばです。
まずはとぶ前、「かえるが……」と読んで間をとります。子どもが「どうなるのかな?」と考える時間が必要です。ページをめくった後も、読む間に少し間をとります。子どもが絵を見て、「あ、かえるがとんだ」と確認してから「ぴょーん」という声を聞かせます。すると子どもは、「ほら、やっぱりとんだ」と自分の予測が当たったことを目と耳で十分にかみしめ、能動的に楽しむことができるのです。
また、1~2歳ごろは体をダイナミックに動かすのが楽しい時期でもあります。全身を使ってお話の中に入って楽しむので、自然に体が動くのです。ときには、絵本を使って体を動かして遊ぶのもよいですね。
乳幼児期は、心とことばが育つ時期です。絵本を楽しむ時間を親子で作ってみてください。
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