災害が起きたとき、子どもの反応は?

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2024/05/25

出典:すくすく子育て[放送日]2024/05/25[再放送]2024/05/30

明日がどうなるかわからない状況では、家族の命を守ることばかりを気にして、子どもの心の傷や不安なサインなどを見逃してしまうのではないかと心配です。災害が起きたとき、子どもにどんな反応があって、親はどう対応すればいいのでしょうか?
(すくすくファミリー)

ふだんと違う反応があるのは普通のことと考える

回答:倉石哲也さん

災害では日常が崩れて、非常に不安定な状態になります。そのときに、大人も子どもも、体調不良、腹痛、頭痛、寝込むなどの反応があります。それらは普通の反応だと考えることが大事です。

すぐに反応が出る子と、大人が落ち着いたころに反応が出る子がいる

回答:倉石哲也さん

私の長女は5歳ぐらいのときに阪神・淡路大震災にあいましたが、3日ほどたってから「おなかが痛い」と言い出して、3日ほど食事もできない状態になり寝込みました。
すぐに反応が出る子もいれば、大変な状況が1~2日過ぎて、大人が落ち着いたころに反応が出る子もいます。「子どもなりに不安を解消しようとして頑張っているのだろう」と受け止めるほうが、大人も不安にならないと思います。

災害が起きたとき乳幼児にみられる反応

乳幼児に見られることが多い、子どもの反応を見てみましょう。

– 赤ちゃん返り(おもらし 赤ちゃん言葉 しがみつきなど)
– ぐずる かんしゃくを起こす 
– 無口になり 元気がない
– 寝つきが悪い 夜中に目を覚ます
– わがままになる

子どもは安心するために「赤ちゃん返り」をする

本田涼子さん

例えば、オムツが取れている子がおもらしをしてしまう、赤ちゃん言葉に戻ってしまう、親から離れられなくなりしがみつきが激しくなった、などがあります。これらは、子どもが安心するために必要なスキンシップや、優しく温かいまなざしなどを得るために、無意識にしているといわれています。

無力感からコントロール感を取り戻すために「わがままになる」

本田涼子さん

日常生活が一変して、大人も子どもも大きな無力感をいだきます。人間は無力感があると状態が悪くなってしまうので、「自分ができるものはコントロールしたい」「コントロール感を取り戻したい」となり、「これは嫌だ」「こっちがいい」と言うことがあります。「わがままになる」というより「わがままになったように見える」と考えてください。これは、自分を安定させようとする無意識な動きなのです。
まったく反応のない子もいるのでしょうか。反応がないのは異常になりますか?
(お子さん1歳4か月のママ)

子どもによって反応のしかたが違う

回答:倉石哲也さん

するどい質問ですね。普通に見える子もいますが、そういう子も「親がどういう声かけを自分にしてくれるかな」「周りがどんなふうに動いてるかな」など、よく見て感じています。
先ほど、本田さんから紹介のあったような反応がすぐに出る子もいれば、生活が少し落ち着いてから出る子もいます。親からみれば「なんで今、こんなことを言い出すの」と感じることもあると思います。子どもによって、どれだけ自分のことを見てくれているかを感じたり、これまで我慢していたことが出たり、反応のしかたが異なるわけです。

災害時の子どもの反応でこんな遊びも

能登半島地震の当日、津波警報で公共施設の屋上に避難しました。直接の被害はありませんでしたが、3歳の娘は今でも地震速報を聞くたびに怖がって大泣きします。また、積み木遊びをしていると、突然めちゃくちゃにして「地震ごっこ」をしています。見守るべきか、しかるべき場所に相談すべきか知りたいです。
(お子さん3歳・1歳のママ)

自分なりの遊びで表現して不安の感情を表に出す

回答:倉石哲也さん

阪神・淡路大震災のときから、子どもの遊びで「地震ごっこ」などのごっこ遊びがみられると理解されるようになりました。東日本大震災の後には「津波ごっこ」もみられています。
子どもは、不安や楽しいことなどの感情を遊びで表現します。不安に感じていることや「どうしよう」と思っていることは、なかなか言葉に出せません。自分なりに遊びで表現して、不安などの感情を表出する、ごく自然な現象といえます。子どもにとって大事なごっこ遊びの一つだと考えてください。


―― ごっこ遊びが気になっても、あまり怒らないほうがいいですか?

「地震ごっこ」を否定せず安心できる言葉をかける

回答:倉石哲也さん

あまり怒ったりしないほうがいいですね。むしろ「今は大丈夫だよ」「今は安心できるからね」「お母さん、お父さんは近くにいるからね」など、子どもが安心する言葉がけを意識してみてください。


―― 「地震ごっこ」には、具体的にはどんな遊びがみられますか?

いろいろなものを倒したりミニカーを積み上げたりする

回答:本田涼子さん

例えば幼稚園や保育園で、クラス全員が「地震速報です」「避難しましょう」と言いながら、いろいろなものを倒したりします。また、廃棄されて積み重なった車のように、ミニカーを積み上げて遊んだりします。遊びは、子どもにとっていちばん表現しやすい言語なのです。

ごっこ遊びでつらい気持ちを乗り越える

回答:本田涼子さん

遊びには治癒的な力があります。例えば大人でも、日常生活で事故を見て驚いたとき、おそらく誰かに話しますよね。そして、何回も話して聞いてもらうと落ち着いていきます。同じような作用が、子どものごっこ遊びにはあるのです。
子どもは、遊びの中で起きたことを理解して、自分の中に落とし込み、乗り越えていきます。遊びはコントロールできるのでエンディングを変えることもできます。「ヒーローが現れて大丈夫だった」といった遊びにすることもできます。嫌な体験を再現しているように見えますが、その遊びを通して自分の中で整理する力があるのです。

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