叱るときの声かけは、どうすればいい?

クリップ
クリップ

2

2022/09/03

出典:すくすく子育て[放送日]2022/09/03[再放送]2022/09/08

夫婦共働きで、3人の子どもを育てています。叱るときの声かけが、子どもの自尊心を傷つけていないか心配です。例えば、長女を叱るときに「小学生なのに、そんなことしていいの?」と言ったり、長男に「お姉ちゃんはできているのに」と言ったり、「自分はだめ」と思わせていないか気になっています。叱ると、子どもはしゅんとして、泣いてしまうこともあります。余裕がなくて焦っているときは、つい感情的な言葉を使ってしまいます。叱るときに、子どもが自信をなくしてしまわないような声かけができればと思っています。
(お子さん6歳・3歳6か月・1歳6か月のママ)

言い過ぎたと思ったら、子どもに謝って仲直りを

回答:岩井久美子さん

親の大変さはとてもわかります。疲れているときや叱るときに、むきになってしまうのはしかたがありませんし、あってもいいと思います。ただ、言い過ぎたと思ったら、お互いの気持ちが落ち着いてきたころに、向き合って「さっきはごめんね。ママはこう思っていたんだよ」と、子どもに気持ちを伝えながら謝って、仲直りしましょう。

子どもにとって理不尽な声かけは避ける

回答:倉石哲也さん

子どもにとって、「小学生なのに」と言われても、それは子ども自身が決めたことではありません。「男の子だから」「女の子だから」「お姉ちゃんだから」「お兄ちゃんだから」といったことも同じです。そう言われても理不尽なことで、「好きでそんなことになったわけじゃない」というような思いや不満を持つと思います。言ってしまいがちですが、そのような声かけは避けたほうがよいでしょう。
叱るときのポイントや、気をつけることはありますか?

主語を明確にした声かけは、子どもの「共感する力」を育てる

回答:倉石哲也さん

例えば「お母さんは、あなたに〇〇してほしい」のように、「お父さんは」「お母さんは」と主語を明確にしたほうがいいでしょう。子どもは2~3歳ぐらいになると、相手の気持ちを考える・共感する力が育ってきます。「相手はこう思っているようだ。じゃあ自分はそうしたほうがいいんだな」と、相手に合わせることができるようになるのです。そのような力を育てるためにも、大事な場面では主語をつけてコミュニケーションしてみましょう。
親の思いを伝えることで、子どもの価値観や思考を偏らせてしまうことはないでしょうか。親の考えに沿って生きてしまわないか心配です。

子どもが自己主張しはじめる時期は来る

回答:倉石哲也さん

子どもは成長してくると勝手に親を否定しはじめます。反抗期という人もいますが、「お母さんは〇〇と言うけど、学校の先生は違う」など、自己主張しはじめる時期が来るのです。そこで、親が「〇〇だからダメ」と言うと、言葉に強制力があって、余計に反発したくなるかもしれません。
そんな時期を会話で乗り切るためには、親の気持ちを押しつけるのではなく、会話を通して考えを伝えることが大事です。例えば「友達の家では違うかもしれないけど、お母さんはこう思う」のように、きちんと思いを伝えて、子どもとのやり取りを発展させましょう。そうすることで、子どもはいろいろな考え方を受け止めるようになると思います。
子どもを叱るとき、夫婦2人で叱るより、ひとりが叱って、ひとりはやさしく寄り添うなど、夫婦で役割を変えたほうがいいでしょうか?

ひとりが感情的に怒っているときは、もうひとりが子どもを受け止める

回答:岩井久美子さん

親が2人で子どもを責めてしまったら、子どもが冷静に考えるための逃げ場がなくなってしまいます。例えば、ママが叱っているときは、パパが子どもの気持ちを受け止めてあげる。そこで、「どうしてママが怒っているのかな」と、一緒に考える機会にできるといいですね。
もちろん、場面に応じてポジションが逆になってもいい。あらかじめ夫婦で「子どもを叱るときは、もうひとりが受け止める」といった話をしておくといいですね。子どもは親の話をよく聞いているので、子どもが寝た後などに、夫婦で話す時間を持つといいかもしれません。
子どもに絶対に言ってはいけない声かけはありますか?

子どもの存在を否定するような声かけはしない

回答:倉石哲也さん

絶対に言ってはいけない言葉ほど言ってしまいがちで難しいですよね。例えば「あなたなんて、いなければいい」「うちの子じゃなかったらよかった」といった言葉は、子どもを傷つけてしまいます。子どもは、親が自分のことをどう見てくれているかを、朝起きてから夜寝るまで神経を張り巡らせているのです。子どもの存在を否定するようなことは言わないようにしましょう。

言ってしまったときは、落ち着いたときにフォローする

回答:倉石哲也さん

言ってはいけない言葉を言ってしまったときは、気持ちが少し落ち着いたときにフォローしてみてください。例えば、一緒にお風呂に入るときや、夜寝る前などは、子どもの気持ちも落ち着いてきます。そんなときに、「ああいうふうに言ってしまったけど、ごめんね」「お母さんはこう思ったのよ」と、ゆっくり話をすれば、子どもに言葉が入っていきやすいと思います。

話を聞いてくれない子に、どう声かけしたらいい?

子どもに否定的な声かけをしてしまう…

PR

×     閉じる