叱っているのに子どもが聞いてくれない!

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2021/01/23

出典:すくすく子育て[放送日]2021/01/23[再放送]2021/01/30

休む暇もなく2人の子どもたちの世話をしていて、つい叱り過ぎてしまうことが悩みです。最初は冷静なのですが、息子が聞かないそぶりを見せるので、その態度にイライラしてしまいます。例えば、私の顔を叩いてきたときに、「痛いよ。ごめんなさいは?」と言っても聞こうとしません。ちゃんと謝ることを教えたいので何度も言うのですが、叩いた顔をさすってくれるぐらいで、謝っても気がないような謝り方です。叱っているのに子どもが聞いてくれないときは、どうしたらいいでしょう。
(3歳 男の子・1歳4か月 女の子のママ)

どうにかしたい気持ちの裏返しで、ふざけたような謝り方になる

回答:坂上裕子さん

お子さんがママの顔をさするのは、修復行動といわれるものです。自分が傷つけたり、壊したり、破ってしまったことを修復しようとするもので、罪悪感からくる行動です。お母さんが好き、楽しい雰囲気を守りたい、何とかしなきゃ、と思ったのではないでしょうか。そんな気持ちの裏返しで、ふざけた謝り方になっているのかもしれません。

子どもの発達段階に比べて、親の要求水準が高い場合も

回答:坂上裕子さん

親は伝えているつもりだけど、子どもがわかっていないこともあります。うなずいているだけで、本当はわかっていないような状態です。
以前、「子どもに『カーテンを閉めて』と言っても閉めてくれない」という話を聞いたことがあります。このケースでは、そもそも子どもが「カーテンを閉める」ことの意味をわかっていなかったようで、そのことで叱ることはなくなったそうです。このように、子どもの発達段階に比べて、親の要求水準が高い場合もあります。
「カーテンを閉める」ことがわかっていたとしても、力を加減してカーテンをうまく引っ張ることができない場合もあります。実際に閉める動作ができるかどうかは、体の発達も関係します。わからないことや、できないことを要求してはいないか考えることも大切です。

発達段階を見極めながら、その子に伝わる叱り方を

回答:坂上裕子さん

大人の感覚では、「1度言えばわかる。ちゃんと伝えているからわかるはず」と思ってしまいがちです。でも、子どもがどの程度のことがわかっていて、どの程度のことができるのか、親も試行錯誤するしかありません。発達段階を見極めながら、その子に伝わる叱り方を探していきましょう。

子どもと一緒に取り組むことが大事

回答:玉井邦夫さん

このケースでは「ごめんなさい」を求めるより、「たたくなら一緒に遊べない」と伝えるほうがよいでしょう。「ごめんなさい」という言葉は、そこで話を終わらせる呪文ではなく、悪いと思ったら、どういう行動をとればいいのか考えさせるための入口です。子どもと一緒にどう取り組めるかが大事になります。

親以外の大人との出会いや社会経験を経て育っていく

回答:玉井邦夫さん

親としては、「ごめんなさい」と言わせないと、謝れない子になるのではないかと不安になることもあるでしょう。
でも、子どもが社会的な常識を身につけていくまでに、このような経験を何回するだろうと想像してみてください。今しか教えるチャンスがない、ということはないはずです。それだけ、お父さんお母さんが子どもの育ちに対して、漠然とした不安を持っているのだと思います。
子どもたちは、これから親以外の大人にもたくさん出会っていきます。社会的な場面も経験していくことでしょう。これからの子どもの育ちをある程度信頼して、子ども自身の経験に委ねていくことも大事だと思います。

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