予防接種の決められた期間を過ぎても大丈夫?

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2020/12/05

出典:すくすく子育て[放送日]2020/12/05[再放送]2020/12/12

息子が生まれたのは、新型コロナの緊急事態宣言が解除された、およそ1か月後。感染対策が徹底された中での出産で、気が休まることはありませんでした。退院後も感染が心配で、なかなか外出できません。感染リスクを考えると予防接種のために出かけることが不安でしたが、夫婦で何度も話し合い、できるだけ人に会わずに行ける病院や時間帯を調べて、これまでに2回の予防接種を受けました。
今後、新型コロナがさらに流行して、外出自粛などでスケジュール通りに予防接種できるか心配です。決められた期間で受けないと、効果が出なくなることはありますか?
(3か月 男の子のママ・パパ)

適切な時期に適切なワクチンを接種しないと病気にかかるリスクが高まる

回答:松永展明さん

新型コロナウイルスへの不安から、予防接種を受けていいのか、小児科に行っていいのか、多くの方が悩んでいると思います。でも適切な時期に適切なワクチンを接種しないと、重篤な病気にかかってしまうリスクが高くなってしまいます。小児科医も、感染対策には非常に気をつけているので、安心して受けに行ってください。
急な発熱などで接種のタイミングを逃した場合は、どうすればいいですか?

多少予定がずれても大丈夫。医師に相談を

回答:松永展明さん

予防接種の時期は、子どもがかぜをひきやすい時期でもあるので、接種が決まったときに、できるだけ早く接種することがポイントです。予定日に熱が出て受けられなかったとしても、そのあとキャッチアップして接種することが可能です。効果も変わらないので、安心してください。
ただし、病気によっては、予防接種を受けるまで少し時間をあけたほうがいい場合もあります。小児科医やかかりつけ医に、次の接種時期を相談してみましょう。
※ロタウイルスワクチンは接種期間が決められています
そもそも、予防接種のスケジュールはどのように決まりますか?

感染症によって適切な時期になっている

回答:松永展明さん

まず、重篤な感染症にはかかりやすい時期があるので、その前にできるだけ早く接種することがとても大事です。一方で、接種が早すぎると免疫がつかないこともあります。例えば、赤ちゃんが重篤化するといわれる「百日ぜき」のワクチンは、できれば産まれてすぐに接種したい。でも、そこで接種しても効果が少ないのです。効果が出てくるのが生後3か月ごろからであろうということで、接種の時期が決められています。
予防接種で「1か月あけてください」と言われることがありますが、どうしてでしょう。

生ワクチンと不活化ワクチンの違いがある

回答:松永展明さん

予防接種には、「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。



生ワクチンは、弱いけれど生きているウイルスや細菌を使うワクチンです。



自然感染と同じ状態で免疫をつくるので、十分な免疫がつくまで約4週間かかります。免疫がつく前に他の生ワクチンを接種しても効果が出ないため、次の接種まで4週間あける必要があります。



一方、不活化ワクチンは、ウイルスや菌をバラバラにして感染する力をなくしたものです。



生ワクチンと違い、病気にかかったような状態にはなりませんが、十分な免疫をつけるために複数回の接種が必要です。
不活化ワクチンは、これまで次の追加接種を受けるまで1週間あけることになっていましたが、2020年10月から期間をあける必要がなくなりました。いつでも予防接種できるようになってきた、という利点があります。
産まれたときの体重が2500g未満だったのですが、スケジュール通りに接種してもいいのでしょうか?

小さく生まれた赤ちゃんも月齢通りに接種して大丈夫

回答:松永展明さん

通常通りのスケジュールで問題ありません。例えば、1000〜1500gで産まれてきた赤ちゃんに、同じスケジュールで予防接種をしても、免疫のつき方は変わらないのです。ですので、産まれた時期から見た適切なタイミングで接種するのがよいでしょう。

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