夫婦で子育ての方針が合わないとき、どうすればいい?

クリップ
クリップ

2020/10/10

出典:すくすく子育て[放送日]2020/10/10[再放送]2020/10/17

妻と子育ての方針が合いません。例えば、子どもにどれだけおもちゃを与えるか。妻は「小さいころは親が制限したほうがいい」と考えていますが、私は制限するとかえって大人になったときに反動がくると思います。はじめから好きなだけ与えたほうが、ものに執着することもなく、物質的でないことに価値を感じてくれるのではないかと考えているんです。
方針の違いでたびたび妻とぶつかってしまいますが、仕事・家事・育児に追われて、なかなか話し合うことができていません。お互い心の中にため込んでしまっています。妻は「子どものことだからお互い譲れないところがあるし、子どもの考えがわからないうちは、すり合わせが難しい」と感じているようです。
(2歳9か月 男の子のパパ)

方針を決めようとすると息苦しくなる。基本的なことを共有しよう

回答:福丸由佳さん

方針を決めて解決しようとすると、息苦しくなってしまうかもしれません。基本的なことを共有するようにしてはいかがでしょう。「元気で、危なくないように」など、最低限の方針をおさえつつも、子どもが大きくなったら、子どもの意見も聞いて一緒に考えることができると思います。

衝突して悩むことは平等な夫婦関係をつくっている証し

回答:多賀太さん

違う環境で育ってきた2人が共同生活を営む中で、やり方の違いでぶつかるのは当然だと思います。かつては家父長制のように夫が全てを決めていた時期もありました。2人で衝突しながらも家事・育児で悩んでいるのは、以前のような主従のある夫婦関係ではなく、平等で民主的な関係をつくろうとしている証しだと思います。そのように、夫婦で話し合い、妥協点を見つけていく姿勢が重要です。

育児に完璧を求めないこと

回答:多賀太さん

仕事が自分の主な役割だと考えている男性が、育児や介護もやるべきだと思い過ぎると、完璧に育児・介護をしようと必死になってバーンアウトしてしまうことがあります。頑張り過ぎて、心身ともに疲れ、燃え尽きたように意欲を失うわけです。
男性も女性も、仕事と家庭を両立しようとするとき、全てに完璧を求めていたらバーンアウトしてしまいます。大過ない程度に、そこそこやっていく —— ときには、そのような姿勢も必要ではないでしょうか。

夫婦で譲り合いながら家事・育児の流儀を決めていく

回答:多賀太さん

家族心理学でマターナル・ゲートキーピングと呼ばれるものがあります。家事・育児は母親の役割という意識が強い女性が、自分の価値や存在意義を家事・育児に見いだし、そこに加わろうとした父親に門番のように立ちふさがりダメ出ししてしまうことをいいます。
父親が責任をもって主体的に家事・育児に参加していくのであれば、マターナル・ゲートキーピングのような考えがあることも踏まえ、夫婦で話し合いながら、お互いに譲り合って家事・育児のペースや流儀を決めていくことが重要です。夫婦のあり方が多様化している今、どのようなバランスがいいのか、それぞれの家庭で違ってきます。2人で話し合って、落としどころを見つけていきましょう。

子育てを中心的にやっている人への気遣いが大切

回答:大豆生田啓友さん

ママもパパも子育てについての考えを持っています。これからの時代は、夫婦2人とも自分の考えを持ちながら一緒に子育てをしていくのが大事だと思うので、とてもいいことだと感じました。
ここで注意したいことがあります。ご相談のパパは違うと思いますが、パパたちの中には、本やネットで得た子育ての情報をやたらと持ち出してしまうケースがあるのです。ふだん中心的に子育てをしている人にとっては、情報だけ出されてもたまらないですよね。中心的に子育てをしているのがママであるなら、ママへの気遣いを含めて、折り合っていくことが大切です。

場合によっては「ま、いっか」が大事

回答:大豆生田啓友さん

2人の考えは違いますが、どちらも正解なんです。だからこそ、2人で折り合わせていくしかありません。「僕が正しい」「私が正しい」ではないところを、どう見いだしていけるのか。場合によってはどちらかが「ま、いっか」と思えることが、とても大事になると思います。
子どもの様子をしっかりと見ている人の意見は優先したほうがいいでしょう。パパが外で働くことが多かったとしても、ママの意見や考えに耳を貸すこと自体が大切なことで、その上での自分の意見だと思います。

子どもに嫌がられてしまう。どうしたらいい?

理想のパパとは?

PR

×     閉じる