英語は早く始めたほうがいいの?

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2019/06/22

出典:すくすく子育て[放送日]2019/06/22[再放送]2019/06/29

“10か月までに言語回路がグンと伸びる”とか、”LとRを聞き分けることができるのも10か月ごろまで”だと聞いたことがあります。早く始めたほうがいいのでしょうか。
(7か月 男の子のママ)
私自身、学生時代に1年間留学をして英語を話せるようになったという経験があるので、子ども自身が「留学をしたい」「英語の勉強をしたい」と思ってから始めても遅くはないかなと思っています。本当のところはどうなのでしょうか。
(3歳 女の子のママ)

早く始めないと興味を持たないということはない。全く焦る必要はありません。

回答:松井智子さん

全く焦る必要はありません。英語を早いうちから始める理由として、「興味を持たせたい」「嫌いにならないようにしたい」そして「発音や聞き取りがよくなると聞いた」という理由が多いようですね。まず、興味を持たせたいとか、嫌いにならないようにという点については、早く始めるかどうかは全く関係がありません。本当に伸びる時は、子ども自身が興味を持って取り組む時です。そういう時期が来てから始めるといいのではないでしょうか。詰め込みすぎて嫌いになってしまう可能性もありますので、興味を持っているかどうか、子どもの様子をよく見て判断する必要があります。

外国語の発音が聞き取れなくなるのは、「母語」である言語の習得に必要なステップ。

回答:松井智子さん

9か月ごろまでに英語を始めると発音や聞き取りが良くなるという話は、みなさんどこかで耳にしたことがあるかもしれません。それは、アメリカのワシントン大学、パトリシア・クール教授による「音の聞き取り」に関する研究が元になったものと思われます。
その研究では、赤ちゃんは生後9か月ごろまでは全ての言語の音を聞き取れますが、10か月を過ぎると、自然に身につく「母語」の音だけをよく聞き取れるようになるというものです。でも実は、これは必ずしも残念なことではないとその研究でも言われています。
9か月ぐらいまで、いろいろな言語の音を聞き分けられるのには理由があります。子どもは自分にとってどの言語が母語になるか分からない状態、つまり、どの言語にも適応できる状態で生まれてきます。そして、その子とよく触れ合う人の言語を聞いているうちに、「これが母語になるのだな」と分かるようになります。すると、それ以外の言語の音声はあまり必要なくなる、ということで、必要のある言語に特化する、という状態になっているのです。その後、およそ10か月以降に、母語の語彙や単語の習得が始まります。母語に特化した聞き取りができることが、ことばの獲得を促進するための一つの条件だと考えるとわかりやすいと思います。

「母語」とは?

子どもが最初に接する言語、毎日のように聞いて、自然に身につける言語を「母語」と言います。母語である言語が身につくと、気持ちを表現したり、ものごとを理解したり、その言語でものを考えるようになります。特に学校に入ってから勉強をする時や、少し難しいことを考える時、母語の力がしっかり身についていれば、新しいことを学習することもできるようになります。学校に入る前までに、母語である言語を習得しておくことはとても大切です。

英語を身近に感じてもらうために、2歳の息子に時々英語で話しかけています。英語の歌に合わせて自分で歌っていることもあるのですが、最近おしゃべりが上手になった息子は、「やだ。英語、怖い」などと言って、私が英語で話しかけるのを嫌がるようになってしまいました。ネットを見ると、妊娠中から英語を効かせるような教材もある中、2歳だと遅すぎたのかなとも思います。どうして怖いと言うのでしょうか。
(2歳 男の子のママ)

いつもと違う様子のお母さんに違和感があるのかもしれません。

回答:遠藤利彦さん

お子さんは、本当に怖がっているわけではないと思います。ただ、もっと他にやりたいことがある時や、お母さんといろいろなコミュニケーションを取りたいと思っているときにお母さんから英語で話しかけられると戸惑ってしまいますね。いつもと少し様子が違うお母さんから、「英語を勉強しようね」という雰囲気を感じて、嫌だと思っているのかもしれません。

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