「“親”って難しい」と思っているあなたへ① ~社会の視点から~
「親って難しい」と感じていませんか? なぜ日本では「親」であることが難しくなっているのでしょうか。先進国の中でも高い出生率を維持しているフランスと比較しながら、社会の視点から考えます。
専門家: 汐見稔幸(教育・保育評論家/東京大学 名誉教授) 安發明子(フランス子ども家庭福祉研究者)
今回のテーマについて
すくすく子育て「放送1000回スペシャル」(2025年4月放送)では、全国のパパママから、余裕のなさやお金の不安、しつけの難しさなどの悩みの声が多く寄せられました。「仕事で余裕がなく子育てに不安がある」「教育にどれぐらいお金がかかるのか…」「親らしくないとダメですか?」。なぜ、今の日本では、親であることがこんなにも難しくなってしまったのでしょう。
フランスでは、「子育ては誰にとっても大変なこと」という考え方を前提に、社会全体で子どもを育てる意識が浸透しています。例えば、親をすることの支援機関のポスターやSNSの発信がよく見られるといいます。
子育てを親だけに任せない制度が当然のようにあり、産後すぐからママの疲弊を防ぎ、自分らしくゆっくり親になれるように専門家が支えるしくみがあるといいます。
子育ては家族と地域社会でしていた。今は全て親がやることになり負担感が大きい
汐見稔幸さん 人類の長い歴史を通じて、食事やおふろなどは家庭でしていましが、みんなが群れて遊んだり、ときにはケンカがあったりしながら、子どもは地域の中で社会性を身につけてきました。家族がやることと、地域社会がやることの2つで子育てしていたわけです。今は全て家族の責任だと思っているかもしれません。地域で子どもたちが「群れ」で遊べる場がほとんどなくなり、親が全部することになり、負担感が大きいと思います。
専門家からのメッセージ
次回は、科学の視点から親になることを考える「『“親”って難しい』と思っているあなたへ② ~科学の視点から~」です。
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