専門家：
加部一彦（埼玉医科大学総合医療センター 小児科医）
市川香織（東京情報大学 教授／助産師）

市川香織さん

妊娠をして市町村に妊娠届を出すと「母子健康手帳」が渡されます。そのとき、保健師などから「困っていることはないですか」といった話があると思います。このときが、出産～子育てまで切れ目ない子育て支援のはじまりなのです。妊娠中から乳幼児健診など、この1冊の中に情報が記録されていく、とても大事な手帳です。

みなさんは、どのように母子健康手帳を使っているのでしょうか。
すくすくファミリーの、母子手帳とのつきあい方を紹介します。

赤ちゃんの一日のタイムスケジュール

子どもの一日のタイムスケジュールを付けています。「こんなに寝てたんだ」「こんな機嫌が悪い時間があったんだ」といったことがわかっておもしろいと思います。
（お子さん3か月のママ）

インデックスでわかりやすく

SNSで見たインデックスを貼るアイデアを実践しました。どこに何が書いているか見つけやすいので、バタバタしているときでも必要なページをさっと開くことができます。
（お子さん4歳11か月・1歳3か月のママ）

生まれたときの写真とメッセージ

生まれたときの写真を貼ってメッセージをしっかり記入しました。母子手帳とは別に、おなかにいるころのエコーの写真を入れたアルバムもあります。妊娠中や子どもの成長の写真や動画をQRコードなどでリンクさせて、母子手帳でまとめて見られるようになったら便利だなと思います。
（お子さん6歳・3歳・1歳5か月のママ）

親から子へ 受け継がれる母子手帳

母親から自分の母子手帳をもらいました。見たら、母の記憶よりも鮮明に自分の小さいころのことが書いてありました。子どもが生まれてから「すごくいいな」と思って、子ども4人分をしっかり書こうと思いました。
（お子さん7歳・5歳・2歳9か月・8か月のママ）

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りんたろー。さん（MC）

実は私も、最近、母から母子手帳をもらいました。母は「いっぱいいっぱいで書けることが少なくてごめんね」と言っていたのですが、びっしり書いてありました。私が親になったタイミングだったから、ありがたみを感じますね。

丸山桂里奈さん（MC）

みなさんの話を聞いていたら、すてきで思い出にも残って、親の愛が伝わると思うのですが、私は母子手帳の親の記入欄に何も書いてないんですね。だめなんでしょうか。

余裕がなくて書けなくても健康の記録は残る

市川香織さん

記入していなくてもだめではありませんよ。育児が大変で、書けないこともありますよね。記入していなくても、健康の記録は残っています。親の思いもあります。だめだと思わなくて大丈夫です。
例えば、シールやイラスト・メモでもあとから見るとたのしいかもしれません。健診のタイミングで思ったことをひと言書いておくのもいいですね。

子どもの大きくなり方は100人いたら100通り。でこぼこだからこそ記録をして活用していけばよい

加部一彦さん

子どもの大きくなり方は一様ではありません。100人いたら100通りあります。そもそもでこぼこなので、母子手帳に書いてあるようにスムーズにいくわけではありません。だからこそ年々変わっていく子どものことを記録しながら、記録を活用していければよいと思います。

母子手帳は家族の宝物。子育てにかかわる人みんなで作っていくもの

市川香織さん

母子手帳は家族の宝物だと思います。「母子手帳」という名称で、ママと子どもが中心ではあるけど、子育てにかかわる人みんなで作っていくものです。私は助産師で、赤ちゃんが生まれた時刻や体重を記入しています。いつも、家族の宝物に記録させてもらっている、これから健康に育っていってほしい、と思いながら書いていました。長く使って、子育ての仲間と一緒にママ・パパも元気に笑顔で過ごしてほしいです。