鼻のケア
小さな子どもにとって、きちんと鼻をかむのは難しいものです。
まずは、ガーゼや綿棒、鼻吸い器などで、こまめに鼻水をとってあげましょう。
お話がわかるようになったら、遊び感覚で、ママやパパと一緒に鼻をかむ練習をさせてみましょう。
講師:守本 倫子(国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科医長) 子どもの小さな耳や鼻。お手入れしづらくて困ったり、病気の見分け方が分からなかったりして悩んだことはありませんか? デリケートな子どもの耳や鼻のケア方法をご紹介します。
鼻水の取り方
<水のような鼻水のとき>
濡らしたガーゼなどで、優しく鼻をぬぐってあげましょう。
<鼻水がたまって苦しそうなとき>
鼻吸い器で吸い取ってあげましょう。
▼鼻吸い器の使い方
鼻吸い器の先端を子どもの鼻にあて、吸い口から、少しずつ小刻みに吸い取ります。
早く楽にしてあげようと一気に吸い上げると、鼓膜を破るおそれがあるので、絶対にやめましょう。
また、鼻水にはウイルスや細菌がいるので、鼻水を吸い取ったあとは、鼻吸い器や手を、しっかり洗いましょう。
<鼻水が固まってしまったとき>
次の方法で取ってあげましょう。
▼固まった鼻水の取り方
(1)蒸しタオルや、お湯で絞ったあたたかいガーゼなどで、鼻の周りを覆って温める。
こうすることで血流がよくなり、鼻の通りがよくなると同時に、鼻水も柔らかくなります。
(2)綿棒を用意する
綿棒を持つときは、鉛筆を持つように綿球の近くを持ちましょう。この持ち方することで、綿棒が耳の奥まで入り過ぎないようにします。
また、鼻の粘膜を傷つけないよう、綿棒にワセリンなどを塗りましょう。
(3)子どもの頭を押さえる
誰かに手伝ってもらうなどのようにして、子どもの頭をしっかりと固定しましょう。
(4)鼻の穴の入り口を、回すようにぬぐう
綿棒を入れる深さは、綿球が隠れるくらいまでにとどめましょう。
また、ごしごしこすらず、綿棒をくるっと回して、鼻水を取りましょう。
鼻をかむ練習をしてみよう
2、3歳過ぎて、お話がわかるようになったら、鼻をかむ練習をしてみましょう。
<鼻をかむ練習をする前に>
子どもにとっては、鼻をかむことは難しいことです。
鼻をかむ練習をする前に、まず、鼻から息を出す練習をしてみましょう。
▼鼻から息を出す練習
湯船のお湯に鼻までつかり、「ブクブク~」と鼻から息を出してみましょう。
最初のうちは、お湯に口だけつけるのでも構いません。パパやママと競争しながら、徐々に鼻もつけられるように練習してみましょう。
練習したあとは、小鼻を指でつまんでぬぐい、洗い流します。
▼簡単鼻かみ練習法
「すくすくアイデア大賞」で紹介した練習方法、「ティッシュでロケット」です。
ティッシュを大きめに丸めて片方の鼻に入れ、もう片方の鼻を閉じます。ティッシュを入れたほうの鼻から息を出し、ティッシュを飛ばしてみましょう。
鼻の奥に詰めこまないよう十分注意し、必ず大人と一緒に行ってください。
▼鼻かみ練習機で練習
市販の、鼻かみ練習機を使ってみるのもいいでしょう。
普段の生活で、楽しく遊びながら、鼻をかむ練習をしてみましょう。
<正しい鼻のかみ方>
片方の鼻をしっかり押さえて、交互に少しずつかむのが、正しい鼻のかみ方です。
一気に強くかんだり、両方いっぺんにかんだりすると、鼓膜や鼻の粘膜を傷つけるおそれがあります。
また、鼻水が出ると、鼻の下が荒れがちです。ワセリンやクリームなどで、鼻の下を保護してあげましょう。
鼻水が出て鼻がつまると、おっぱいやミルクが飲みにくくなったり、口で呼吸をするために、夜、よく眠れなくなったりします。
できるだけこまめに、鼻水はとってあげてください。
同じ週に放送された番組記事
- (月)子どもの耳・鼻のケア(1)耳のケア
- (火)子どもの耳・鼻のケア(2)耳のトラブル
- (水)子どもの耳・鼻のケア(3)鼻のケア
- (木)子どもの耳・鼻のケア(4)鼻のトラブル
PR