子どもの耳・鼻のケア(4)鼻のトラブル

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2018/06/21

出典:まいにちスクスク[放送日]2018/06/21[再放送]2018/06/28


鼻のトラブル

小さな子どもは、鼻水や鼻づまりなどのトラブルが、中耳炎などの耳のトラブルを招くことが多くあります。
気になるサインがあったら、早めに受診しましょう。


子どもの耳・鼻のケア(4)鼻のトラブル

講師:守本 倫子(国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科医長)
子どもの小さな耳や鼻。お手入れしづらくて困ったり、病気の見分け方が分からなかったりして悩んだことはありませんか?
デリケートな子どもの耳や鼻のケア方法をご紹介します。

鼻のトラブルの原因

鼻のトラブルの原因は、鼻水が出たときに鼻をかまずにすすりあげることです。
黄色い鼻水は、体の中の白血球が細菌と闘ってできた「うみ」です
ウイルスも細菌も、まだたくさん含まれているので、すすって鼻の中に戻してしまうと、鼻のトラブルが長引いてしまいます。

<鼻水のばい菌が耳へ入って「中耳炎」に>

鼻の穴は、奥で耳やのどとつながっています。
しかも子どもは下図のように、耳と鼻をつなぐ通り道「耳管」が、短くて傾きもなだらかです。
そのため、鼻水のばい菌が耳へ行きやすく、中耳炎にもなりやすいです。


注意すべき子どもの鼻のトラブル

<副鼻くう炎>

鼻の奥、額や頬骨の裏側には、「副鼻くう」という空洞があります。

子どもはこの「副鼻くう」への通り道が大人に比べて広いため、鼻水やウイルス・細菌が、「副鼻くう」に入りやすいです。

鼻水をすすり上げたりして、「副鼻くう」にウイルスや細菌が入り込み、繁殖して炎症を起こすのが副鼻くう炎です。

慢性化すると、「鼻が詰まって匂いがわからない」「ぼーっとして集中できない」など、様々なトラブルを引き起こします。

▼副鼻くう炎のサイン
・粘りけのある黄色い鼻水がたくさん出る
・頭やおでこ、頬を痛がる
・目の周りが腫れぼったい
・鼻声が続く
・咳払いをよくする
・口をずっと開けている
上記のようなサインがあったら、耳鼻科を受診しましょう。

<アレルギー性鼻炎>

子どもに多い鼻のトラブルです。アトピー性皮膚炎など、ほかのアレルギー症状と併発することもあります。

▼アレルギー性鼻炎のサイン
・水っぽい鼻水がとまらない
・くしゃみをよくする
・いつも鼻を触っている
・鼻をかゆがる
上記のようなサインがあったら、耳鼻科を受診しましょう。

<鼻血>


子どもが急に鼻血を出していると、びっくりしますよね。
実は、子どもが鼻血出す原因のおよそ9割は、子どもが自分で鼻をさわって、中の粘膜を傷つけていることです。
鼻の入り口付近から1センチくらいのところは「キューゼルバッハ部位」と呼ばれ、毛細血管がたくさん集まっています。
鼻血の9割以上は、ここが傷つくために出血するのです。

▼鼻血の止め方
ガーゼやティッシュなどで血を受けながら、小鼻を指でしっかり押さえて止血しましょう。

止血するときは、のどに血が流れないよう、やや下を向かせてください。

以上の方法で、ほとんどの場合、鼻血はおさまります。

・鼻を打って出血した
・鼻血がなかなか止まらない

このようなときは、すぐに耳鼻科を受診しましょう。

ワンポイントアドバイス

鼻水が出るのは、ウイルスや細菌、そして「うみ」を体の外へ出して、体を回復させるためです。
こまめに鼻水はとってあげてくださいね。

また、「よく鼻を触っている」「鼻血が出やすい」などの行動が見られるお子さんは、実はアレルギー性鼻炎など、なんらかの鼻がかゆい状態を抱えていることがあります。
気になるときは、迷わず耳鼻科で相談してくださいね。


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