質問スペシャル(5)

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2019/03/30

出典:すくすく子育て[放送日]2019/03/30[再放送]2019/04/06

2016年から「すくすく子育て」の司会をつとめた山根良顕さんと優木まおみさんが、この春で番組を卒業します。

そこで、これまでの3年間で、2人がパパ・ママとして助けになった情報や、心の支えになったことばを、よりすぐって紹介します。

厳選 子育てに役立ったアドバイス

山根さんと優木さんに、子育てに役立ったアドバイスを3つずつ選んでもらいました。

優木さんが選んだアドバイス

まずは、優木さんが選んだ3つのアドバイスを紹介します。

「おいしいね」と共感しながら、一緒に食事する

当時、優木さんは食事中なのに歩き回ってしまう長女に悩んでいました。同じ年齢の子どもでも、きちんとできる子がいるのに、自分のやり方がいけなかったのかと思っていたのです。
そんなときに、次のアドバイスがヒントになり、子どもと一緒に食事をするようになりました。

あちこちに興味が移るのが子どもです。5〜10分ちゃんとできたら、たいしたものです。

子どもは大人の食べ方を見ながら多くのことを学びます。大変なことですが、一緒に食事することを考えてみましょう。「おいしいね」と共感しあうこともできます。むしろ、その方が早道かもしれません。

太田百合子さん(東洋大学 非常勤講師/管理栄養士)

優木さん ちょうど悩んでいたことだったので、とても役に立ちました。当時は、子どもが食事している間に家事をして、一緒に食べていなかったんです。親子で食べるようにすると、徐々に食べるようになって、「食事を一緒に食べる楽しさ」を子どもに知ってもらうことが大事だと思うようになりました。

気持ちが落ち込んだら、家族や周りの人に話をする

夜泣きに苦しむパパとママが集まったこの回。優木さんも子どもの夜泣きに苦しんでいました。そんなときに、「夜泣きはいつか終わるとわかっていても、つらいときは?」という質問へのアドバイスで、家族や周りの人に話をすることの大切さを知りました。

子育てをしている時期は、ほかの時期と比べて「自分が悪いのではないか」と考えてしまいがちです。自分と、自分の子どものことしか見えなくなって、とてもつらくなることがあります。
以前、ママたちに「子どもが1歳までの間で、うつのように感じた時期はありますか」という調査をしたとき、半分ぐらいの多くのママが「診断はされていないけど、うつのような気持ちになりました」と答えていました。気持ちが落ち込んだときは、外に出たり、家族や周りの人と話すことが大切です。

市川香織さん(東京情報大学 准教授/助産師/母性看護学)

優木さん 子どもが2人目のときは「夜泣きはいつかなくなる」とわかっていましたが、1人目のときは、夜泣きがいつまでも続くような感覚になっていました。苦しんで、私のやり方のせいで夜泣きするのではないかと思っていたのですが、アドバイスを聞いて気持ちが楽になりました。

甘やかしたくないときは、子どもの気持ちを上手に切り替える

愛情と甘やかしの境界がわからない。優木さんは、そんな悩みを抱えるママの1人でした。そんなときに、次のアドバイスに納得しました。

子どもの「だっこして」という甘えを全部受け止めていいのか、「いつもはだめよ」と言ったほうがいいのか悩みますよね。親もずっとだっこするのは疲れてしまいます。このような場合は「第3の手」を考えてみましょう。
例えば「だっこじゃなくて、走っていってみよう!」など、子どもが目先を変えられるように、ちょっと空気を変えてあげる。子どもも意外と自分の気持ちを切り替えます。だっこするでもなく、だっこしないわけでもない、第3の手です。
どこかに買い物に行って、子どもが「買ってほしい!」とぐずる。このとき買うか買わないか悩みますが、できれば買ってあげないほうがいいと考えるなら、「お家に帰ったら、この前残しておいたお菓子を食べよう!」などと声をかけてみます。買うでも買わないでもなく、もうひとつの別の手を出すことによって、子どもが「今は我慢しよう」となることもある。
第3の手を出すことによって、子どもは自分の気持ちを切り替えていくのです。

大豆生田啓友さん(玉川大学 教授/乳幼児教育学)

優木さん たっぷり甘えさせてあげたい気持ちと、甘やかしが過ぎるとまわりを困らせてしまう心配の間で、今も悩みます。でも、「子どもの気持ちを上手に切り替える」というアイデアを知っているだけで、困ったときの対応のバリエーションができてよかったと思います。

山根さんが選んだアドバイス

続いて、山根さんが選んだ3つのアドバイスを紹介します。

ママと作戦会議をして、パパの存在感をうまくアピール

育児に頑張るパパたちが集まり本音を語り合ったこの回。山根さんは、娘に「パパは嫌」と言われ始めて困っていました。そんなときに、「子育てをしたいのに子どもに嫌がられてしまう。どうしたらいい?」という質問へのアドバイスがヒントになりました。

私の子どもが2歳ぐらいのときです。2人でスーパーへ行ったとき、「パパと〇〇ちゃんでお買い物だね」と言ったら、「ママと〇〇ちゃん」だと言い直されました。ママはいないので「パパと〇〇ちゃんでしょ」と確認しても「ママと〇〇ちゃん」と繰り返します。
そこでママにお願いしてしまうと、短期的には解決できますが、その差がどんどん広がってしまうので、踏みとどまりましょう。
ずるいかもしれませんが「パパといるといいことがある」ということをつくりましょう。例えば、パパと買い物にいくとチョコレートが食べられるなど、ちょっとした特別感を持たせて、パパと行こうと思ってもらうのです。
1日にあげるおやつの量を決めておいて、事前にママと作戦会議をしておくとよいでしょう。

田中俊之さん(大正大学 心理社会学部 准教授/男性学)

山根さん パパたちは、どうしても「自分がしたことでむくわれたい」と思いがちですが、それは違うと感じました。子どもが楽しく思えて、ママの気持ちが少しでも楽になるのが重要だと思ったんです。今では、娘は僕と一緒に寝てくれるようになったりしています。

「非認知能力」を育てるには、遊びを見守って、親は応援団になる

山根さんは「非認知能力」に興味津々で、親は何をすればいいのか気になっていました。そして、「親は子どもの遊びにどう関わればいい?」という質問へのアドバイスで、子どもの応援団になって遊びを支えることの大切さを知りました。

子どもの応援団になって、後ろからエールを送る存在になりましょう。例えば、子どもがこちらを見たときは、にっこりほほ笑んであげる。これもエールを送ることになります。「見守る」ことも、ただ見るだけではありません。子どもの遊びを黒子として支えてあげることも大切です。遊び相手にならなくても、おもちゃを手作りしてあげるなど、楽しく夢中になれるような環境をセッティングしてあげる。このような気構えで、お子さんの遊びを見守るスタンスがすごく大事だと思います。

遠藤利彦さん(東京大学大学院 教授/発達心理学)

山根さん 「非認知能力」のことは、この番組で知ることができて本当によかったと思います。今は、子どもの遊びを見守りながら、これが将来につながるんだと思って取り組んでいる段階です。子どもが遊んでいる様子を、「成長しているんだな」という視点で見ることができるようになりました。

子どもの生活リズムを優先する

当時、山根家は、パパとママの生活リズムの影響で遅寝遅起きになり、生活リズムが整っていませんでした。そんなときに、「パパとの時間、子どもの生活リズム、何を優先すればいい?」という質問へのアドバイスに納得したんです。

まず、幼い子の体作りは、親としての大事な責任です。子どもが健康でいることが、なによりも重要です。ですので、子どもは早く眠れるようにして、パパとの時間は朝につくる方が、みんなの健康のためにもなります。
子どもの体は、夕方からだんだん寝る準備がはじまって、夜になり暗くなるころ休もうとなります。そこにパパが帰ってくると、眠りが妨げられて、寝つくにも時間がかかるようになります。早く寝て、気持ちよく「おはよう」をして、いい朝をパパと過ごせるような工夫をしましょう。

子どもが寝かしつけの時間に帰宅を避けるような不自然なことはしなくていいんです。例えば、帰ってきたら「ちょうどよかった、僕も眠かったんだ」といって、手を洗って着替えて、一緒に布団に入ってあげる。そのように、寝るムードを壊さないように、眠りのパターンを崩さないように、協力してあげましょう。
子どもが寝た後に、改めてお風呂に入ったり、大人だけの時間をとればよいと思います。

井桁容子さん(東京家政大学ナースリールーム 主任保育士)

山根さん 僕が仕事をしている間は、ずっとママが子どもの世話をしているので、夜はママが自分の時間を過ごせるように、僕が朝起きる生活に変えました。そうやって、子どもの生活リズムを作れていると思います。

パパ・ママとして変われたこと

番組を通して、2人がパパ・ママとして変われたことを教えてもらいました。

優木さんがママとして変われたこと

「すくすく子育て」の司会になった当時、優木さんは2歳の女の子のママでした。ちょうどイヤイヤ期だったこともあり「何がつらいかも考える余裕がないぐらいの日々だった」といいます。このとき2人目を妊娠中で、2人の子育てを思うと不安でいっぱいだったそうです。

そして、2人目が生まれて、2人の子育てをしている頃、「私の子育て これでいい?(2018年11月17日放送)」で、こんなメッセージを聞きました。

私は、この歳になっても“自分らしさ”はわからない。いつも自分らしさって何なのか、揺れながら探し続けています。
だから、「親としての自分」というのも、子どもと一緒に探し続けていいと思います。気持ちが揺れてもいいのです。

大日向雅美さん(恵泉女学園大学 学長/発達心理学)

優木さんは、このことばが心に響いたといいます。

優木さん ママになってから、ママだからきちんとしないといけないという考えにとらわれて、苦しんでいたんです。しあわせだと思う日もあり、つらいと思う日もあり、そうやって気持ちが揺れている中で、このことばを聞きました。「揺れてもいい」と言ってもらえたんです。

そんな優木さんが、ママとして変わるきっかけになったテーマが「どうする?ママ友との関係(2016年4月30日放送)」です。

ママ友との関係に悩むママたちが集まったこの回。優木さんも「ほかのママに連絡先を聞いていいのかわからない」と、ママ友を作れずに悩んでいました。そんなとき、専門家から「ママ友は、悩み相談や情報交換など、子育てにとってプラス要素が多い」というアドバイスを聞いて、ママ友を作ろうと決意したのです。
それから少しずつママ友が増えて、今では頻繁に集まるようになったといいます。

優木さん ママ友と、ちょっとした愚痴や、誰かに言いたいことを話すことができます。悩みを聞いてもらったり、先輩ママから子育ての経験を聞いたり、そんな話をするだけで、とても楽になれます。本当にありがたいです。ママ友がいなかったら、こんなにしあわせな子育てができなかったと思います。

山根さんがパパとして変われたこと

3歳の女の子を持つ山根さん。以前は遊びのレパートリーが少なく、子どもと遊ぶときは人形遊びの相手ばかりだったといいます。でも「すくすく子育て」の「山根良顕のパパ修業」のコーナーで、運動遊び手遊び虫の捕り方からマジックまで、いろいろなことを学びました。なかでも、運動遊びで学んだ「ペンギン歩き」は、今では山根さん親子の定番の遊びになっているといいます。

山根さん パパ修業で、おもちゃがなくても、子どもが笑顔になってくれることを知りました。「ペンギン歩き」も含めて、パパ修業のおかげで、僕ができることがとても増えたんです。

でも、そんな山根さんが、今も悩んでいることがあるといいます。番組アンケートに寄せられた「パパだからこそできることはありますか?」という質問です。この質問に答えはあるのでしょうか?
そこで、大日向雅美さんに聞いてみました。

「パパだからできること」はありません。決まったパパのモデルはないのです。だから、自分で「親としてのあり方」を作っていくことが一番大切です。ひとりの人間として、社会人として、男性として、大人として、どのように子どもと向き合うのか、妻と向き合うのかを考えていきましょう。これは、いわば「海図なき航海」です。パパとして、自分なりの海図を作っていってください。

大日向雅美さん(恵泉女学園大学 学長/発達心理学)

山根さん 「パパだからできること」を考えて、役に立ちたいと思ってしまいますが、そうではなく、自分なりに作っていくことが大事なんですね。

パパ・ママにとって育児に1番大切なこと

最後に、山根さんと優木さんにとって、育児に1番大切なことを聞きました。

山根さん 子どもをしっかり見てあげることです。しっかり見ていると、何をしてあげるのがよいのか考えられます。ママと協力すること、ママをフォローすることも大事です。そうやって、パパとママで、子どもを一緒に見ていけると思います。
優木さん 子どもを育てる責任や、いい子に育ってほしいという思い、そして、子どもへの愛があります。だからこそ、うまくいかないときに、イライラしたり、怒り過ぎたり、反省したり。でも、それは「愛しているからこそなんだ」と意識できると、落ち着くことができると思います。だから、大切なのは愛情だと思います。

山根良顕さん、優木まおみさん、3年間ありがとうございました!

※記事中の専門家の肩書は放送当時のものです。

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