【すくすくまとめ】赤ちゃん・子どもの”耳”のケア

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2019/02/13

子どもの耳

子どもの小さな耳。お手入れしづらくて困ったり、病気の見分け方が分からなかったりして悩んだことはありませんか?今回は、育児情報番組「まいにちスクスク」でご紹介した、子どもの耳のケア方法をまとめました。

専門家
守本 倫子(国立成育医療研究センター 耳鼻咽喉科医長)

子どもの耳掃除・正しいやり方は?

▼耳掃除の頻度
子どもの耳の中の皮膚は、薄く、とても傷つきやすいため、耳掃除のしすぎは、かえってトラブルのもとになります。また、耳あかは、むやみやたらに取り除いた方がいいものではありません。
耳のお手入れは、月に1回から2回で十分です。優しく丁寧に行いましょう。

▼耳あかは耳を守るバリア役
耳あかは、耳の穴を守るバリアの役割があります。耳掃除をしすぎると、かえって耳の穴を傷つけてしまいます。
耳あかは、皮膚の表面にある細かな毛の働きで、自然に耳の奥から外へと押し出されていきます。そのため、耳掃除は、入り口付近に見える耳あかを取るだけでいいのです。

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▼ベビー用綿棒を使った耳掃除
こどもの耳掃除には、ベビー用綿棒を使用してください。子どもの小さな耳の穴にも入りやすく、皮膚を傷つけにくいため、子どもの耳掃除に最適です。

(1)綿棒は鉛筆を持つようにして、下図のように軸の真ん中あたりを持つ。
このように持つと、指が邪魔にならず、耳の中がよく見えるようになります。万が一、子どもが動いても、耳の奥まで綿棒が入り過ぎないため、安心です。

(2)子どもの頭をしっかり押さえ、耳たぶを少し引っ張る。
誰かに手伝ってもらうなどして、子どもの頭をしっかりと固定しましょう。


(3)耳の入り口をぬぐう
汚れが見える部分だけを1~2回、くるっと綿棒を回転させるようにして、優しくぬぐい取りましょう。


※カサカサした粉っぽい耳あかの場合には、綿棒にベビーオイルやワセリンなどを薄く塗ると、耳あかが取りやすくなります。

▼耳掃除の注意点
(1)奥まで綿棒や耳かきを入れない
まずは、決して奥まで綿棒や耳かきを入れないようにしましょう。
(2)子どもに言い聞かせる
お話がわかる子どもには、「じっとしててね」などのように、頭を動かさないように言い聞かせましょう。誰かに子どもの体を押さえてもらい、一緒にお掃除してもいいですね。
(3)耳掃除中は周囲の状況を確認
耳掃除中に、きょうだいが遊んでいてぶつかったりする事故も起きています。周りの状況を確認して行いましょう。
(4)綿棒などは子どもの手の届かないところに保管
特に1歳~2歳代では、自分で耳の穴に耳かきを入れてケガをしたという事故が、半数以上を占めています。綿棒など耳掃除の道具は、必ず子どもの手の届かないところにしまっておきましょう。


▼子どもが嫌がらない耳掃除の方法は?
耳掃除を気持ちがいいと感じるのは、耳の手前部分だけです。下図の赤丸部分のような、耳の奥の骨のある部分に綿棒が当たると、とても痛いです。


子どもが嫌がらないためには…
(1)耳の入り口周りだけを掃除する。
(2)耳の周りをコチョコチョくすぐるようにする。

気持ちのいいスキンシップのつもりで耳を触られることに慣れさせましょう。とりにくい耳あかは無理をせず、耳鼻科のお医者さんに取ってもらいましょう。恥ずかしがらずに、耳の定期健診のつもりで、耳のお掃除もお医者さんを頼ってください。

耳のトラブルを防ぐには?

耳のトラブルを防ぐために、普段から次のことに気をつけましょう。

(1)鼻水をすすりあげない
普段から気をつけて、鼻水をすすりあげないようにさせましょう。鼻水に含まれるばい菌が、耳へ行きやすくなってしまいます。

(2)こまめに鼻水をとる
鼻水が出たら、こまめに拭き取ったり、吸い取ったりして、鼻水がたまらないようにしてあげましょう。

(3)ほどほどの音量で楽しむ
あまり大きな音で音楽をかけたり、テレビをみたりするのは、子どもの聞こえの発達によくありません。子どもが、ほどほどの音量で楽しむようにましょう。
下図のように、子どもは大人に比べて、耳と鼻をつなぐ「耳管」が短く、傾きもなだらかです。
そのため、かぜをひいたときなどは、鼻水のばい菌が耳へ行きやすく、トラブルになりやすいです。



★ワンポイントアドバイス
注意すべき子どもの耳のトラブルには、「急性中耳炎」「滲出(しんしゅつ)性中耳炎」「外耳炎」などがあります。
「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」は、こじらせると難聴などの後遺症を起こすおそれがあります。
まだ予防接種を受けていないお子さんは、ぜひ「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」の予防接種を受けてください。
また、小さなお子さんの8割は、一度は中耳炎にかかると言われています。きちんと治療しないと、聞こえの発達に支障が出ることもあります。気になるサインを見つけたら、必ずお医者さんに相談してください。


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