私は、子どものほめるポイントを見つけて、できるだけほめてあげるようにしています。例えば、ご飯がなかなか進まないときは、少しでも食べたことをほめています。ですが、最近ほめ過ぎではないかと悩むようになりました。ほめ過ぎて、過剰に「自分はできる」と思ってしまうのではないかと心配です。ほめられることでやる気を出してくれていると思う一方で、ほめられないと自分からやろうとしないのではないかと思うこともあります。このままほめ続けていいのでしょうか。
(2歳8か月の女の子と4か月の男の子をもつママより)
ほめられることが自立につながる
回答:岩立京子さん ママやパパが無理をしているのではなく、自然に子どものよい部分を探してほめることは、とてもよい関わり方だと思います。また、ご飯を食べないときに、子どもをほめて「食べよう」という気にさせてもよいと思います。多くの場合、子どもはほめられることで、徐々に何がよいのかの判断基準を身につけ、それが自立につながります。
親がちょっとしたことで子どもをほめていると、子どもが何でもよいと思うようになりませんか?
少し難しい課題へのチャレンジを促す
回答:岩立京子さん そのような傾向を感じたら、子どもにチャレンジを促してみましょう。「もうちょっと〇〇をやってみる?」「ママと一緒にやってみよう」のように、子どもにとって少しだけ難しい課題を提案してみるのです。子どもの成長の機会だと前向きに考えて、親子で取り組んでみてください。
安易にほめると「ほめ待ち」になることも
回答:汐見稔幸さん 子どもをほめて、やる気にさせたり、「こうやればいいんだ」と目安を示してあげるのは、とてもよい方法だと思います。ただし、必要のないときに安易にほめてばかりだと、子どもがほめられるのを待つ「ほめ待ち」になる場合もあります。「ほめ待ち」になると、かえって子どもの行動を縛ってしまうことがあるので注意しましょう。
自分で納得して困難を乗り越えることが自己評価につながる
回答:汐見稔幸さん ほめることは、子どものよいところや、できることを見つけてあげることでもあります。子ども自身が気付いていなくても、ほめることで伝えてあげる。そのように、子どもを観察してよく見てあげることが大事です。でも、ほめられたことが、そのまま「自分はできる」という自己評価になるわけではありません。自己評価は、自分で納得して困難を乗り越えることで感じることができるのです。
ほめ過ぎると、子どもは「親は何でもほめてくれる」と感じて、わがままになりませんか?
大事なときに叱ることができるのであればよい
回答:汐見稔幸さん 子どもが成長してくると、心がこもっていないただほめているだけというほめ方は見抜くようになるかもしれません。でも、それは大きな問題ではありません。大事なときに「叱る」ことができないほうが問題なのです。ときには「それは、やってはいけないんだよ」と、きちんと叱ってあげることが必要です。ほめるだけでは、育ちに偏りができてしまいます。
大人でも「ほめられて伸びる」という人もいます。人によって違うのでしょうか?
人によってタイプが異なる
回答:汐見稔幸さん 人は、ほめられるとうれしくなるので、ほめられて伸びる側面があると思います。ほめることは基本的に大事なことです。ただし、その人の性格によって、どう感じるかは異なります。それは子どもも同じです。「ほめられれば、どんどん伸びる」というタイプの子もいれば、「自分のペースでやりたい、介入してほしくない」という子もいます。叱ってあげるほうが伸びる子もいます。ですので、子どもがどんなタイプなのか見抜いていかなければなりません。
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