褒め方・叱り方(3)避けたい叱り方

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2024/02/12

出典:まいにちスクスク[放送日]2024/02/11[再放送]2024/02/14

子育てをしていると、子どもを叱りたくなるときがありますよね。保育園の現場から、子どもの目線に立った接し方を教えてもらいます。
みなさんからの相談を、吉村直記さんに聞きました。

講師:
吉村直記(おへそグループ統括園長)

怒ってもヘラヘラ笑っている

子どもがふざけてママにぶつかってきます。怒ってもヘラヘラ笑っていて効果がありません。
(お子さん2歳のママ)

大人が笑って声をかけると、うれしくなり逆効果

吉村直記さん

あえて言葉をかけない、“計画的な無視”をします。子どもは、友達を笑わせたくて「うんち!」「おしっこ!」といったことを言います。そこで、大人が「そんなこと言わないの」のように、笑って声をかけると、「反応してくれた!」と思ってうれしくなり逆効果です。

子どもにとって適切なボリュームがある

声をかけるときのボリュームもポイントです。

園の帰りの会。なかなか席につかない子どもたちがいました。「早くすわりなさい!」と大声で言ってしまいそうな場面ですが…

先生は、「静かに」のジェスチャーで伝えます。すると、子どもたちはきちんと座りだします。

帰りの会がはじまると、先生は小さな声で話しますが、子どもたちはしっかり注目しています。

吉村直記さん

子どもは、大きい声でどなられると、びっくりして内容が入ってきません。怒られたこと、その声自体に反応してしまいます。子どもたちにとっての適切なボリュームを活用することが、とても大切です。

ときには、ヒソヒソ声も効果的です。

登園をしぶる子に、「カメラが来てるんだって。どんなカメラか見にいこうか」と話すと、興味を持ってくれました。ヒソヒソ声で話すと、本能的に「なにか大事な話かな?」と感じるようです。

ほかにも、「いいね!」のハンドサインや、よくないことを表情で伝えるのも効果的です。

交換条件を出してしまう

子どもが食事中ふざけると、「これを食べたらデザートをあげるから」など交換条件を出してしまいます。
(お子さん3歳のママ)

大人の言葉で言うと、交換条件は「脅し」

吉村直記さん

交換条件は、大人の言葉でいうと「脅し」みたいなものです。例えば、「きちんと仕事しないと給料はないよ」。ほとんどの人は、そのような恐怖を与える伝え方をしないと思います。子どもであっても、ひとりの人間です。敬意をはらって、言葉を選ぶことを大切にしてください。

2人目が生まれて上の子にイライラ…

2人目が生まれてから、上の子にイライラしてどなったりすることが増えました。どうしたらやさしくなれますか。
(お子さん4歳・1歳のママ)

まずは、園の先生に「保育の現場でイライラすることはありますか?」と聞いてみました。

〇子どもが動いてくれず、イラっとしたことはあります。そんなときは、ほかの先生に「こういう状況だから代わってほしい」と相談します。
〇まずは自分の心のコントロールですね。深呼吸をしたり、一瞬子どもたちから離れてみたり。自分の心の整理をつけてから、子どもたちと向き合います。

困らせようとしているわけではない

吉村直記さん

子どもたちは“いまその瞬間”を生きています。親や保育士を困らせようとする行動ではなく、子どもたち自身は楽しんでいるだけだったりします。
子どもたちを見て、ひと呼吸置いて、「楽しんでいるんだな」「いたずらしてるけど、その瞬間を生きているんだな」と考えてみましょう。子どもたちの見え方が変わってくると思います。

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まいにちスクスク
 
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