子どもの応急手当て (心臓マッサージと人工呼吸)

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2015/01/28

出典:まいにちスクスク[放送日]2015/01/28[再放送]2015/02/04


心臓マッサージと人工呼吸

万一に備えて覚えておきたい心臓マッサージや人工呼吸の方法。子どもの救急のスペシャリスト、白石裕子さんに教えていただきます。


講師:日沼千尋(東京女子医科大学 看護学部教授)
   白石裕子(東京工科大学 医療保健学部看護学科 准教授)
子どもの急な病気や思わぬケガ…。とっさの場面にもできるだけ冷静に対処できるように、家庭での応急手当てについて専門家に教えていただきます。

子どもが倒れているのを発見したら

まず子どもの名前を呼びかけ、肩や足の裏を叩いて反応をみます。そしてもし反応がなかった場合、最初にするのは、大声で周囲に助けを呼ぶこと。家の中に他の人がいない場合は、窓を開けて外に向かって助けを求めましょう。誰かが駆けつけてくれたら119番通報を頼み、自分は子どもの救命に専念します。

その1-心臓マッサージ

20120620_02子どもがソファやベッドに寝ている場合は、しっかりとマッサージできるよう床におろします。子どもの心臓の位置は、1歳以上の場合は両方の乳首を結んだ線の真ん中。赤ちゃんは、そこから指1本くらい下のあたりです。ここを強く押して、心臓から脳へ血液を送ります。
心臓が小さい赤ちゃんの場合は2本の指を使ってマッサージ。1分間におよそ100回のリズムで30回、胸の厚さの3分の1くらいまで沈む強さを目安に、指を垂直に立ててしっかりと押し、確実に戻します。疲れたら親指に代えても大丈夫です。
1歳以上の子どもには、腕を垂直にして手のひらの付け根でしっかりと押し、確実に戻します。

その2-人工呼吸

心臓マッサージの次は人工呼吸です。赤ちゃんの場合は、口と鼻を一緒に口でおおうようにして、1秒かけて息を吹き込みます。このとき、赤ちゃんの胸が軽く持ち上がるくらいまで、息が入るのを確認しながら、静かに2回吹き込みましょう。大きい子どもには、息がもれないように鼻を指でしっかりつまみ、口だけをおおうようにして、1秒かけてゆっくりと、胸が上がっていることを確かめながら2回息を吹き込みます。

心臓マッサージ30回+人工呼吸2回で1セット

人工呼吸のあと、再び心臓マッサージを30回。1分間に100回のリズムで、強く確実に。その後、再び人工呼吸を2回。誰にも助けを頼めない場合には、このセットを5回、およそ2分間行ってから救急車を呼びましょう。そして子どもの意識が戻るか、救急車が到着するまで心臓マッサージと人工呼吸のセットを続けてください。

子どもで練習するのは絶対にやめましょう

胸にとても強い衝撃が加わるので、元気な子どもに行うのはとても危険です。心臓マッサージで押す位置を確認するだけにしてください。また、押しすぎて胸を骨折させてしまいそうに感じるかもしれませんが、万一骨折しても、脳にしっかり血液が送られれば命は助かります。子どもの意識が回復し、呼吸できるようになったら、そっと横にして様子を見守りながら救急車を待ちましょう。
心臓マッサージも人工呼吸も、多くの人にとってはじめての経験です。とっさのときにきちんと行えるか心配ですね。自治体などで実施している講座を利用して、実際に体験してみましょう。


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