卵アレルギー 離乳食の進め方は?

クリップ
クリップ

2013/06/15

出典:すくすく子育て[放送日]2013/06/15

娘が卵アレルギーです。離乳食のときに、もう少し後に食べさせればアレルギーが出にくかったのではと気になっています。遅く与えるほうがアレルギーを防ぐことができるのでしょうか?

与える時期を遅くしても予防にはなりません

回答:大矢 幸弘さん

昔は、与える時期を遅らせるほうが安全だと考えられていましたが、その後の研究で、むしろ早く食べさせはじめたほうが、食物アレルギーが少ないという結果が出てきました。そのため現在では、アレルギーになる前の早い時期から少しずつ食べさせることで、予防につながるという説が出てきています。

具体的には、離乳食をはじめる生後5〜6か月のころから少しずつ与えるといいとされています。(※アレルギー以外にも胃腸や肝臓の働きが未熟な小児では、離乳食は慎重にすすめる必要がありますが)これらはまだ研究が進められている最中で、最終的な結論は出ていませんが、少なくとも離乳食を遅くすることで食物アレルギーを予防する効果はないといえます。

離乳食はアレルギーに対する免疫をつけるチャンス

回答:馬場 直子さん

「経口免疫寛容」といって、「食品を口から食べて腸で吸収されると、皮膚など他の器官から入った食べ物よりも、それを異物とみなしにくい」という性質があります。離乳食はその免疫をつけるための良いチャンスとして最近見直されています。
ただし、食べ物の中でも特にアレルギーを起こしやすい卵や牛乳、小麦、そして命にかかわる重篤な症状を引き起こすこともあるそば、落花生などの食品については、与える際に注意が必要です。はじめての食べ物を与える場合は、病院が開いている時間内にほんの少量ずつ食べさせるなど、様子を見ながら慎重に進めるようにしてください。

万一、アナフィラキシーの症状が出たときはすぐに病院に行きましょう。また過去に一度でも症状が出たことがあるなら、いざというときに備えて抗ヒスタミン剤やエピペンなどの緊急時の薬の処方や使い方を医師と相談しておくといいでしょう。

●「アナフィラキシー」って?
食物アレルギーで特に注意しなくてはいけないのが「アナフィラキシー」です。これは複数の臓器に同時に症状が出る状態のこと。さらに、急激な血圧の低下や意識障害などの全身の症状が短時間のうちに起こり、生命が危険な状態になることを「アナフィラキシーショック」といいます。

PR

×     閉じる