テレビに近づき過ぎてしまう。このままでは視力が悪くなる?

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2019/02/23

出典:すくすく子育て[放送日]2019/02/23[再放送]2019/03/02

娘がテレビを見るとき近づき過ぎて心配しています。お気に入りの番組が始まると、かぶりつくように画面を見ながら、テレビと一緒にうたを歌ったり、体を動かしたりしています。何度も注意してテレビから離すのですが、すぐにテレビの前に戻ってしまいます。私自身は目が悪いので、子どもの目が悪くならないようにしてあげたいと思っています。テレビに近づき過ぎて見ていると、視力が悪くなってしまうのでしょうか?
(3歳1か月の女の子と3か月の男の子をもつママより)

視力が未発達だと近づこうとする

仁科幸子さん回答:仁科幸子さん

小さな子どもは視力が未発達なので、どうしても興味を持ったものに近づこうとします。でも、お子さんの場合は、うたを歌ったり、体を動かしたりして、単に近くで見ているだけではないので、問題はないと思います。

テレビを見るとき、テレビからの距離や見る時間の長さの目安はありますか?

画面の縦の長さの3倍は離れて正面から見る。時間は30分程度

三井田千春さん回答:三井田千春さん

テレビを見るときは、画面の縦の長さの3倍ぐらい離れて、正面から見るようにしてください。長時間テレビを見続けると疲れてしまうので、30分程度で休憩をするほうがよいでしょう。また、暗い部屋で明るい画面を見ることも、目の疲れにつながります。ある程度明るい部屋で見るようにしましょう。

子どもがいつもテレビにかぶりつくように見ている場合、親が気をつけることはありますか?

極端に近づくときは「弱視」の疑いがある

仁科幸子さん回答:仁科幸子さん

子どもがテレビにかぶりついて見ているような場合、多くの親が遠くのものが見えにくい「近視」になることを心配されます。でも、極端に近づいて見ることが続く場合は「弱視」の疑いがあります。弱視で、よく見えていないために、近づいて離れない可能性があるわけです。

<弱視とは?>


弱視とは、何らかの原因で網膜に鮮明な映像が映らなくなったため、視神経から脳まで正しい情報が伝わらず、脳での情報処理が育たなくなっている状態です。50人に1人は、弱視の子どもがいるといわれています。
弱視になると、ものを近づけても離してもピントが合わず、はっきりと見ることができません。「近視」の場合はメガネをかければ見えるようになりますが、「弱視」の場合は、ものを見る脳の機能そのものが育っていないため、メガネをかけても見えないのです。
弱視に気づかないまま大人になると、脳の発達期間が終わっているので、治療することができません。子どものうちに、早く弱視の原因を見つけて治療を始めれば、ほぼ正常な視力に近づけることができます。

強い遠視、強い乱視に注意

仁科幸子さん回答:仁科幸子さん

近視、遠視、乱視の違いを知っておきましょう。



「近視」とは、網膜の手前にピントがきてしまい、遠くのものが見えにくい状態です。近い距離であれば、ピントが合ってはっきり見ることができるので、視神経と脳の発達が促されて視力が育ちます。



「遠視」とは、網膜の後ろ側にピントがきてしまう状態です。「強い遠視」は、脳にぼやけた映像しか伝わらないため、視力が育ちません。この場合、治療が必要になります。



「乱視」とは、眼球のひずみで縦方向と横方向のピントが1か所に合わないため、網膜の中心に正しい映像が映らない状態です。「強い乱視」は、脳に鮮明な映像が伝わらず、視力が育ちません。この場合、治療が必要になります。

子どものころに気をつけたいのは、片目、または両目の強い遠視や強い乱視です。脳の機能が発達しないため、「弱視」の原因となります。

子どもが弱視かもしれないとわかる、サインのようなものはありますか?

いくつかのサインがある

三井田千春さん回答:三井田千春さん

ものを見るとき目を細めている、画面を見るとき顔が付くぐらいの距離になっている、顔を傾けたり横目で見ている、このような場合は弱視の可能性があります。また、左右どちらかの目を隠したときに嫌がる場合は、片目だけが弱視になっているかもしれません。これらのサインが見られるときは、病院で受診をしてください。


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