赤ちゃんの耳・鼻の健康管理 〜滲出性中耳炎〜

赤ちゃんを見ていて「耳が聞こえにくいのかな?」と感じたら、「滲出性中耳炎」かもしれません。子どもに多い「滲出性中耳炎」について、西城耳鼻咽喉科・アレルギー科の西城隆一郎先生にお話を伺いました。

《滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)》

鼓膜の内側の中耳という部分に、滲出液(水)がたまる病気です。鼻炎や副鼻腔炎をおこしていると、かかりやすくなります。滲出性中耳炎は長期化しやすく、治るまでに数か月から数年かかることもあります。よくなったり悪くなったりをくり返す傾向があるので、症状がよくなったからといって途中で放置せずに、医師の指示にしたがって、きちんと通院することが大切です。

■症状

熱や痛みはないことが多いのですが、耳がつまった感じがして、聞こえが悪くなります。耳を気にしている、呼んでも返事をしない、聞き返しが多い、テレビの音が大きい、などの症状があれば滲出性中耳炎の可能性があります。また、片耳だけの滲出性中耳炎ですと症状が目立たない場合があります。内視鏡でのぞくと、鼓膜の内側に水がたまっている様子がわかります。(以下の写真参照)

左:滲出性中耳炎の左鼓膜
滲出液が鼓膜の内側にたまって褐色になっていいます。これは、聴力が低下している状態です。
右:正常な鼓膜
(写真提供:西城耳鼻咽喉科アレルギー科)

■原因

鼻炎や副鼻腔炎、アデノイド増殖症などに引き続き、耳管(耳と鼻の奥をつないでいる管)の機能障害が起こることが原因です。

■治療

薬を処方したり、鼻の治療を行います。また、耳管の機能を改善させるために耳管通気(鼻から中耳に空気を通す処置)を行うこともあります。難治性で滲出液が多く、聞こえが悪い場合には、鼓膜切開を行う場合があります。鼓膜に小さな穴をあけて、中耳の滲出液をぬいてあげる処置ですが、ほとんどの場合、傷は3〜7日ほどで傷は自然にふさがります。鼓膜切開をすると、直後からよく聞こえるようになり、術後の痛みもほとんどありません。また、切開しても再発をくり返す場合には、鼓膜に直径1mm程度のごく小さいチューブを数か月間〜数年間、挿入しておくこともあります。

■経過

経過は次の3つのパターンにわかれます。
(1)軽症の急性中耳炎からの移行する場合・・・多くの場合、1〜2週間で完治
(2)重症の急性中耳炎からの移行する場合・・・1〜3か月で一度治りますが、その後数年くり返す傾向があります
(3)何度もくり返している滲出性中耳炎の場合・・・10歳くらいまでくり返す傾向があります