インフルエンザ対策講座 〜インフルエンザ予防編〜
本格的なインフルエンザシーズンに入る前に、赤ちゃんをインフルエンザから守るための予防対策を鈴の木こどもクリニックの鈴木博先生に教えていただきました。
■最善の対策は予防接種
インフルエンザを予防するには、ワクチンの接種が現実的なアプローチです。特に、流行すると猛威をふるうA型ウイルスは、毎年少しずつ変異するので、ワクチンも毎年接種する必要があります。しかし、ワクチンを接種しても完全にインフルエンザの発病を防げるわけではありません。ワクチンの発病予防効果は、成人では70〜80%、乳幼児は40〜50%といわれています。小児科の現場での印象では、毎年ワクチンを接種したお子さんやママの方が、感染しても比較的軽症ですんでいるように思われます。
また、生後6か月以内の赤ちゃんの場合、まだお母さんの免疫が残っていること、ワクチンを接種したとしても抗体があまり上昇せず、効果が弱いと考えられています。そして、仮に感染しても軽症ですむ例が多いことから、通常は行いません。むしろご家族が積極的にワクチンを接種して、赤ちゃんをインフルエンザから守ることを考えたほうがよいでしょう。
■予防注射は11月上旬からスタートを
インフルエンザのワクチンは接種2週間後から効果が出るといわれています。2度の接種は1週間〜4週間の間隔で行いますが、4週間くらいあけて接種するのが最適といわれています。したがって、1度目を11月の上旬に接種し、2度目を12月上旬くらいに行いのがよいと思います。ワクチンを2度接種すると、その後約5か月の間効果が期待できるため、流行の期間はカバーできます。 しかし乳幼児の場合、インフルエンザワクチンの接種がポリオの秋の集団接種の時期と重なってしまうことが悩みの種ではないでしょうか。
一般的に予防接種の優先順位は、
- 麻疹・風疹混合(MR)またはDPT
- ポリオの1回目またはインフルエンザ
- その他
と考えられますが、どのように接種計画を立てるかは、かかりつけの小児科の先生とよく相談してみるとよいでしょう。
■ワクチンの成分について
インフルエンザのワクチンは鶏卵を利用して製造しています。ワクチン液の精製度はきわめて高く、ワクチン中に含まれる卵由来のたんぱく質はきわめて微量です。しかし、過去に卵を食べてショックをおこした人は接種できません。また、卵を食べて、じんましんや発疹をおこす人も要注意ですので、かかりつけの小児科の先生とよく相談してください。また、授乳中のお母さんがインフルエンザワクチンを接種しても、赤ちゃんに影響はありません。むしろ赤ちゃんに感染させないためにも、お母さんがしっかり予防しておくことが重要です。
■ワクチン以外の予防方法
ワクチンを接種する以外にも、シーズン中は以下のことに気をつけておきましょう。日ごろから注意しておけば、インフルエンザの予防につながりますよ。
- 外から帰ったら、手洗いとうがいをする
- 流行の時期には、大人はマスクをつける
- 人ごみはできるだけ避け、赤ちゃんを人の多いところに連れて行かない
- 部屋の湿度を60〜70%に保つ(ウイルスは乾燥した空気中では長時間生存します。また、空気が乾燥していると鼻やのどの粘膜の防御作用も低下します。)