赤ちゃんのかぜ〜基礎知識編〜
赤ちゃんがもっともよくかかる病気といえば、かぜ(かぜ症候群)です。知っているようで、よくわからない「かぜ」の基礎知識を鈴の木こどもクリニックの鈴木博先生にうかがいました。
■「かぜ」ってどういう病気?
《かぜの原因は200種以上の病原体》
かぜの原因となる病原体は、200種類以上もあり、その9割がウィルスの仲間です。そして、残りが細菌やマイコプラズマなどによるものです。季節により、夏は高温多湿を好む夏かぜウィルス、冬には低温乾燥を好むインフルエンザなどが流行します。ウィルスによるかぜは、飲んですっきり治るような特効薬がないため、症状をやわらげる対症療法薬が処方されます。一方、細菌感染では、抗生剤が処方されます。しかし、かぜの大部分を占めるウィルスに対しては、抗生剤は無効であり、安易に投与するべきではないと考えられています。
《症状と経過》
かぜの症状は、鼻やのどが病原体によって感染をおこして生じます。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、せき、微熱などが主な症状ですが、病原体の種類によっては、急な高熱、下痢やおう吐・腹痛・結膜炎や口内炎などさまざまな症状がみられます。普通のかぜの症状は、炎症をおこしているところ(のど、鼻など)の症状が主ですが、インフルエンザでは関節痛や頭痛、だるさなど全身症状が強くみられます。また、かぜの症状と麻疹などの重い病気の初期症状とは区別がつかないため、注意が必要です。
普通のかぜは通常1週間以内に自然に治ります。せきや鼻水が出ているなと思ってから、2〜3日後に発熱しても、水分や栄養をとって安静にしていれば、だいたい3日から1週間でおさまる例がほとんどです。しかし、長期にわたってせきがとまらないとか、解熱せず5日以上高熱が続くようなら、他の病気や合併症(中耳炎、気管支炎、肺炎、髄膜炎など)の可能性も強く疑われます。よく赤ちゃんの状態を観察していて、変わったことがあったら、すぐに小児科でみてもらいましょう。
《自然治癒力を高めるケアを》
生後半年くらいまでの赤ちゃんは、お母さんからもらった免疫が残っているためあまりかぜをひきません。生後5〜6か月くらいからかぜをひく機会が増えますが、普通、かぜはかかっては治ることをくりかえすうちに、赤ちゃんに次第に抵抗力がついてきて、だんだんかからなくなっていくものです。薬も症状をやわらげますが、おうちでのホーム・ケアが一番大切。室温や湿度を調整したり、水分や栄養に気をつけるなど、赤ちゃんの自然治癒力を助けてあげましょう。ただし、生後3か月以内の赤ちゃんが発熱した場合は、肺炎や敗血症・尿路感染症などの恐れもありますから、至急受診してください。
■カゼのレベルとケア早見表
| かぜのレベル | 症状 | 疑われる合併症 | 対処方法 |
| レベル1 本人が元気で食欲があれば、様子をみてよいでしょう |
くしゃみ・透明な鼻水・鼻づまり・軽いせきなど | 水分・栄養を補給して、無理をさせない 症状が悪化するようなら受診する |
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| レベル2 つらい症状をやわらげるために、かかりつけの小児科を受診しましょう |
ひどい鼻づまり・黄色い鼻水・湿ったせき・37.5度以上の熱・下痢・おう吐・腹痛・食欲がないなど | 急性鼻炎・咽頭炎・扁桃炎・急性気管支炎・中耳炎など | かかりつけの小児科を受診して診察を受ける |
| レベル3 至急受診しましょう |
5日以上続く高熱・呼吸困難・意識障害・激しいせき・けいれん・脱水症状(おしっこが出ない・顔面蒼白・ぐったりする) | 肺炎・細気管支炎・髄膜炎・脳炎・脳症・脱水症 | 夜間や休日でも大至急病院を受診する |